今日の「カバーの名曲」はソニー・ロリンズがカバーした「Isn’t She Lovely」を取り上げます。
スティーヴィー・ワンダー「Isn’t She Lovely」
「Isn’t She Lovely」のオリジナルはスティーヴィー・ワンダーが1976年に発表した18枚目のオリジナル・アルバム「Songs in the Key of Life」に収録されています。スティーヴィー・ワンダーの娘、アイシャの誕生祝いとして書かれた曲で邦題は「可愛いアイシャ」。実際の出産時に録音された産声やアイシャを沐浴させている様子を録音したものが使われていて、スティーヴィーの幸福感がこちらにまで伝わるような大好きな曲です。はねるようなグルーヴやノビのあるヴォーカル、ハーモニカのソロも最高ですね。
この曲はジャズのカバーが結構あって、ギタリストのリー・リトナーが1977年に発表した「Captain Foingers.」のバージョンが秀逸ですし、
最近ではトム・ミッシュの2018年発表のデビュー・アルバム「Geography」にも収録されていて、こちらもおしゃれなカバーでカッコいいです。
ソニー・ロリンズの演奏
ソニー・ロリンズが「Isn’t She Lovely」をカバー したのは、1977年発表の「Easy Living」でした。
「Isn’t She Lovely」のパーソネル
- Sonny Rollins – tenor saxophone
- George Duke – piano, electric piano
- Tony Williams – drums
- Charles Icarus Johnson – guitar
- Byron Miller – electric bass
- Bill Summers – congas
ジョージ・デュークのピアノに先導されてソニー・ロリンズのブロウがいきなり炸裂します。もう最高。亡くなった中山康樹さんが、ソニー・ロリンズのサックスを大阪弁と評していて、なるほどと膝を打ったのですが、まさしくそんな感じの出だしです。ロリンズを支えるミュージシャンも御大を立てつつ大活躍です。ジョージ・デュークはずっと気の利いたフレーズで援護していますし、バイロン・ミラーも原曲に負けないグルーヴ生成に貢献。トニー・ウィリアムスは前に出ず、バランス重視の抑え目プレイ。そして、チャールズ・イカルス・ジョンソンのソロは文句なしにカッコいい。
歌入りのカバーも多い「Isn’t She Lovely」ですが、私はこのロリンズ・バージョンが一番のお気に入り。ロリンズもリトナーも1977年という、オリジナルがリリースされた翌年にはカバーを録音していて、この曲のインパクトの大きさ、素晴らしさを現しているなと思います。
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