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「Blue Note Re:imagined」原曲との比較–2

音楽全般

ブルーノートのコンピレーション・アルバム「Blue Note Re:imagined」を原曲と聴き比べする企画。今日はその2日目です。

Illusion(Silly Apparition)

今日はDisc1の5曲目に収録されている「Illusion(Silly Apparition)」から。この曲の原曲はアンドリュー・ヒルが1965年に発表した「One for One」に収録されています。盤を手に入れるのは困難ですが、YouTubeには音源がありました。この曲は初めて聴きましたが、50年以上前の曲としてはかなり先進的な印象。ドラムスやベースはほぼ一定で支えていますが、ストリングスとピアノは攻めてますね。4:30過ぎにやっと登場するサックスも効いてます。

この曲を再構築したのは南アフリカ出身のマルチ・プレイヤー、スキニー・ペレンベ。リズムや曲調は原曲を引き継いでいますが、2:30頃からのシューゲイザーのような音の洪水が面白いです。

スキニー・ペレンベの「Illusion(Silly Apparition)」
アンドリュー・ヒルの「Illusion」

Galaxy

Disc1の6曲目は「Galaxy」。原曲はエディ・ヘンダーソンが1975年にリリースした「Sunburst」に収録されているファンクな1曲。この人、マイルス・デイヴィスに触れてジャズを志したらしく、この曲なんかもうエレクトリック・マイルスの影響を強く感じます。いやぁ、初めて聴いたけどめちゃ好み。

この曲を演奏しているのはアルファ・ミスト。彼のアルバムはコンプしていて、ライブも最高だったんですが、今回も期待に応える出来ですね。原曲同様、マイルスのビッチェズ・ブリューあたりの雰囲気が踏襲されています。大きく貢献しているのは原曲にもフィーチャーされているバスクラリネットのあの音。マイルスもよく使ってましたが、この音が入ることで怪しさや土臭さが増すんですよね。アルファ・ミストのバージョンはエフェクトがかかりまくりで浮遊感がたまりません。

エディ・ヘンダーソンの「Galaxy」
アルファ・ミストの「Galaxy」
Sunburst
東芝EMI株式会社

Steam Down

Disc2の1曲目に収録されているのが「Etcetera」。原曲はウェイン・ショーターが1965年に録音したものの1980年までリリースされなかったアルバム「Etcetera」に収録されています。ショーターのテナーがめちゃくちゃかっこいい。なんでお蔵に入ってたのかがわからないくらいの良曲です。

この曲を演奏しているのがジャズ、ソウル、アフロ・スウィングなどの多様なジャンルを横断したサウンドで知られるスチーム・ダウン。これも原曲のカッコよさはそのままに再解釈したグルーヴィーな1曲に仕上がっています。

スチーム・ダウンの「Etcetera」
ウェイン・ショーターの「Etcetera」

I’ll Never Stop Loving You

最後はdisc2の3曲目に収録されている「I’ll Never Stop Loving You」。原曲はドリス・デイやナンシー・ウィルソンもレコーディングしたスタンダード・ナンバーで、ブルーノートには最初にブルーノートが契約した女性ヴォーカリストのドド・グリーンが1962年に発表したアルバム「My Hour of Need」に収録されています。

いかにもなスタンダード・ナンバーをアレンジしたのはネオ・ソウル・シンガーのヤスミン・レイシー。完全に現代の音楽としてよみがえっています。

ヤスミン・レイシーの「I’ll Never Stop Loving You」
ドド・グリーンの「I’ll Never Stop Loving You」

Blue Note Re:imagined」に収録されたすべての曲がYouTubeにあがってはいないのでここで比較は終了となります。動画は何気にめちゃくちゃ凝っているので作るのも時間かかるでしょうね。この先にも新しい曲がアップされるかもしれないので楽しみにしたいと思います。このほかの曲も原曲と比較することで新しい発見があると思います。

Blue Note Re:imagined」の購入は柳樂光隆さん執筆のライナーノーツがついた日本盤CDがおすすめです!

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