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「Blue Note Re:imagined」原曲との比較–1

音楽全般
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先日発売となったブルーノートのコンピレーション・アルバム「Blue Note Re:imagined」。
ジョルジャ・スミス、ジョーダン・ラカイ、アルファ・ミスト、ヌバイア・ガルシア、ミスター・ジュークスなどUKの新鋭ミュージシャンが多数参加してブルーノートの名曲を解体、再構築するようなアルバムとなっています。

私も絶賛聴き込み中ですが、原曲を知らないものもあって、比較して聴ければこのアルバムをさらに楽しめるような気がして、YouTubeで公開されている動画を並べて聴き比べしてみようと思います。今日はその1日目。

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Rose Rouge

まずは1曲目の「Rose Rouge」。いきなりストレートなジャズ・チューンではなく、クラブジャズ系のプロデューサーであるフランス人のサンジェルマンがマリーナ・ショウの「Woman of the Ghetto」をサンプリングして作られたものが原曲。

グラミーの新人賞にもノミネートされたジョルジュ・スミスが原曲の打ち込み系のサウンドを「演奏」した音に置き換えて表現しています。1曲目から聴く前の想像とは異なるアプローチを放り込んでくるあたりが最高ですね。普通、ジャズのスタンダードとかを最新の技術を用いて表現すると思いますもんね。艶やかでノビのあるジョルジュのヴォーカルが素晴らしい。

ジョルジュ・スミスの「Rose Rouge」
サンジェルマンの「Rose Rounge」
「Rose Rounge」の原曲となったマリーナ・ショウの「Woman of the Ghetto」
ツーリスト
EMIミュージック・ジャパン
ザ・スパイス・オブ・ライフ
ユニバーサル ミュージック クラシック

Footprints

2曲目に収録されているのは「Footprints」。原曲はウェイン・ショーターが作曲したジャズ・スタンダードと言える名曲。1967年にアルバム「Adam’s Apple」に吹き込んでいますが、初めて世に出たのはマイルス・デイヴィスの1967年のアルバム「Miles Smiles」。

この曲を演奏したのがジョー・アーモン・ジョーンズが参加するバンド、エズラ・コレクティヴ。ピアノとベースの解釈が原曲と聴き比べると面白い。これこれ。こういうのを聴き比べてわかりやすくしたかった。

エズラ・コレクティヴの「Footprint」
ウェイン・ショーターの「Footprint」
マイルス・デイヴィスの「Footprint」
マイルス・スマイルズ
ソニーミュージックエンタテインメント

Watermelon Man

3曲目に収録されているのは「Watermelon Man」。原曲は1962年のハービー・ハンコックのデビュー・アルバム「Takin’ Off」に収録されている名曲。この時ハービー弱冠22歳!

この曲を演奏しているのはネオ・ソウルのシンガー、ポピー・アジュダ。知らずに聴くとこれが「Watermelon Man」とは思えないほどアレンジされています。関連性はほとんど無いように思えますが、イントロのハービーのピアノに反応して作られているんだなということは理解できます。全く新しい解釈で演奏されていますが、これはこれで良曲。3:09過ぎの「Under the Sun〜」あたりが気持ちいいです。

ポピー・アジュダの「Watermelon Man」
ハービー・ハンコックの「Watermelon Man」

Wind Parade

4曲目に収録されているのは「Wind Parade」。原曲はドナルド・バードの1975年の作品「Places and Spaces」に収録されています。バードは1970年代にいち早くファンクやフュージョンにアプローチした作品を残していて、この曲もサンプリングにはよく使われる曲。

ジョーダン・ラカイはオーストラリア出身のマルチ・プレイヤーでトム・ミッシュとの作品でも知られていますが、この曲は原曲に割と近いところで新しい曲に仕上げています。随所におしゃれな音が散りばめられていて、特にコーラスワークが秀逸。

ジョーダン・ラカイの「Wind Parade」
ドナルド・バードの「Wind Parade」

このアルバムの購入は柳樂光隆さん執筆のライナーノーツがついた日本盤CDがおすすめです。リリースに至った背景、特に2000年代以降のブルーノートについての、なるほどと膝を打つ記述が楽しめて、アルバムへの理解度がマシマシです。

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