原曲とカバー曲、双方が素晴らしいと感じる名曲を紹介する「カバーの名曲」。今日はローリング・ストーンズがカバーした「Just Your Fool」を取り上げます。この曲はローリング・ストーンズが2016年に発表したブルース・アルバム「Blue & Lonesome」の1曲目に収録されている曲です。
リトル・ウォルター「Just Your Fool」
この曲はバディ・ジョンスンがリリースした「I’m Just Your Fool」が原曲で、ジョンスン版は妹のエラ・ジョンスンが歌い、1954年のビルボードR&Bチャートで6位を記録しています。ゆったりとしたジャジーなR&Bで、こちらもなかなか味のある原曲です。
ストーンズがカバーしているのはリトル・ウォルターのバージョンで、ウォルターが「Just Your Fool」というタイトルでシカゴ・ブルースにアレンジしたものを録音したもの。この曲は1960年に録音され、1962年にチェッカー・レコードからリリースされています。 このバージョンを聴くとストーンズのカバーの忠実さが分かりますね。ジョンスン版からここまでシカゴ・ブルースに仕上げてくるリトル・ウォルターのアレンジも素晴らしいですね。
ローリング・ストーンズの演奏
前述のとおり、「Just Your Fool」は「Blue & Lonesome」の1曲目。プレイした瞬間から聴こえてくる、歯切れ良く重いリフ、ミックのパワフルでクリアなブルースハープ、そしてチャーリーのシャッフル・ドラムも素晴らしく、1曲目の出だしでノックアウトされてしまいます。
ミックのヴォーカルも全力を傾けていて迫力があり、かつ艶やか。これが70代の演奏なのか?昔録音してたやつを引っ張り出してきたんじゃなくて?と勘ぐってしまうほど現役バリバリ感が凄い。2005年の「A Bigger Bang」以来、新作の発表が無く、寂しい思いをしている我々ファンをつなぎとめるには十分のクオリティでした。この「Blue & Lonesome」にはほかにもリトル・ウォルターの曲が収録されていて、どれも彼へのリスペクトが感じられる素晴らしい演奏。ストーンズをつないでいる絆がブルースだということを改めて実感します。
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