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ジャニス・イアンのおすすめ「この1曲」

この1曲

日本でも人気の高い女性SSW

今日はジャニス・イアンで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
ジャニス・イアン(1951.4.7–)はアメリカ・ニュージャージー州ファーミングデール出身のシンガーソングライター。

幼い頃のジャニスは、家の中でよく流れていたジョーン・バエズやオデッタの音楽が好きで、まだ4歳にならないうちにピアノを始め、10歳のときには独学でギターを弾けるようになり、そのうちオルガン、バンジョー、ハーモニカ、フレンチホルンにも精通するようになります。そして12歳でデビュー・アルバムにも収録される「Hair of Spun Gold」を作曲します。

ヴァーヴと契約し、1966年にリリースした「Society’s Child (Baby I’ve Been Thinking)」は当時タブー視されていた異人種間の恋愛を描いたもので、レナード・バーンスタインが1967年4月下旬に放送されたCBSのテレビ番組「インサイド・ポップ:ロック・レボリューション」で取り上げたことで注目を集め、全米14位を記録するヒットとなりました。また、1967年初頭にこの曲を収録したファースト・アルバム「Janis Ian」をリリースし全米29位を記録。ジャニスは10代にして成功を収めます。

ジャニス・イアン「Society’s Child (Baby I’ve Been Thinking)」

しかし、その後は数枚アルバムを発表するもヒットに恵まれず、ヴァーヴとの契約も終了してしまいます。失意のうちフィラデルフィアに移り住んだジャニスでしたが、すぐに再起し、キャピトルと契約。1971年に「Present Company」を発表します。このアルバムは全米223位とあまり注目を集めることはできませんでしたが、ここから彼女の快進撃が始まります。

1973年にジャニスが作曲した「Jesse」がロバータ・フラックのアルバム「Killing Me Softly」に収録されてヒット。また、コロンビアと契約しリリースした1974年のアルバム「Stars」も高い評価を受けます。

ロバータ・フラック「Jesse」

そして1975年にリリースされた「Between the Lines」は全米1位を獲得する大ヒット。シングルカットされた「At Seventeen」も全米3位となり彼女の代表曲となりました。「Between the Lines」はグラミー賞でも2つの部門を受賞しています。

1976年には「Aftertones」を発表し全米12位。このアルバムは日本でも大ヒットし1位を獲得。半年間にわたってチャートに留まるなど大成功を収めました。

1977年の「Miracle Row」は全米45位、日本では20位を記録。シングルカットされた「Will You Dance?」が日本ではドラマの主題歌に使用されて大ヒット。以降、この曲はたびたび日本で取り上げられるお馴染みの曲となりました。アルバムは日本でミリオンヒットを記録しています。

1978年の「Janis Ian」ではジャズ歌手のメル・トーメと共演した「Silly Habits」でグラミー賞にノミネート。このアルバムは本国よりも日本、オーストラリアでヒットし、日本を含め人気の高い国ではライブ・アルバム「Remember」がリリースされています。

以降は音楽スタイルを変えながら活動を続けますが、コロンビアを離脱、虐待を受けていた夫との離婚、会計士に騙されるなど次々とトラブルに見舞われながら80年代を過ごします。

再度ジャニスに注目が集まるのは1992年の「Breaking Silence」。私もここからがリアルタイムです。このアルバムはエイズ、配偶者からの虐待、近親相姦、ホロコーストなどのテーマを扱い、彼女自身もがレズビアンであることをカミングアウト。アルバムは絶賛されグラミー賞にもノミネートされました。

その後も自らのレーベルを立ち上げるなど精力的に活動。2012年には彼女の自伝をオーディオブックに収録し、グラミー賞の最優秀スポークン・ワード・レコーディング賞を受賞しています。

ジャニス・イアンで一番好きな曲

ジャニス・イアンは幼少期からテレビやラジオで流れていたので曲の方を先に知っていましたが、彼女を認識し、アルバムを初めて聴いたのは大学生になった頃だったと記憶しています。ジョニ・ミッチェルやキャロル・キングなどの女性シンガーソングライターを好んで聴いていた時期。他も聴いてみようと掘り進めたのがきっかけでした。

最初に手にしたアルバムは名作といわれる「Between the Lines」。透明感のある歌声、美しいメロディに夢中になり、その後も特に70年代のアルバムを好んで聴いていました。特に「Stars」、「Between the Lines」、「Aftertones」、「Miracle Row」あたりまでのアルバムはクオリティも高く、よく聴き込んだ作品です。

曲を選ぶとするとやはりこの時期の曲ということになってきます。「Stars」、「At Seventeen」、「Between the Lines」、「Today You’re Mine」、「Love is Blind」など名曲ずらりで困りますが、私の一番好きな曲「この1曲」には、幼少期から慣れ親しみ体に刷り込まれているような曲。1977年発表のアルバム「Miracle Row」に収録の「Will You Dance?」を選曲します。

「Will You Dance?」は1977年のTBS系のドラマ「岸辺のアルバム」の主題歌に使用され、以降、テレビやラジオで流れることも多い名曲。日本では「At Seventeen」よりも「Will You Dance?」が代表曲かもしれませんね。

私は音源をゲットしたのが大学生だったので、彼女に入れ込んでいた時期には朝、カーテンを開け、コーヒーを淹れて、読書や制作に耽るという私にとっての「ちゃんとした生活」のためのテーマソングのような感じでした。背筋を伸ばして、しっかりと地に足をつけて生活をする。そうさせるパワーがこの曲には秘められているような感じがします。

ジャニス・イアン「Will You Dance?」ライブ音源

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