“Horses” について
ジャケ写経#008は“Horses” Patti Smithです。
“Horses” はパティ・スミスのデビュー・アルバム。発表は1975年12月で、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルがプロデュースを担当。当時、ニューヨークのパンク・ロッカーは男性ばかりで女性はほとんどいなかった中、パティの登場はセンセーショナルだったことでしょうね。
このアルバムを最初に聴いたのは浪人時代だったと思いますが、当時はCDを買えず、テープで聴いてました。それこそ擦り切れるまで。大学に入ってようやくCDを購入。数年前にアナログも購入して、もう、本当に長い間聴き続ける作品になりました。
このアルバムでお気に入りの曲はベタですがゼムのカバー曲「Gloria」です。「この1曲」にも書いたんですけど、2001年のフジロック、グリーンステージで観たこの曲がすごく印象に残っています。当時は直近のセットリストを調べてから曲目を想定して臨むなんて、予習じみたことできなかったのですが、1曲目から「Gloria」でめちゃくちゃ盛り上がりました。やっぱりこの曲最高です。
このアルバムを語る上で外せないのはロバート・メイプルソープが撮影したカバー写真です。ニューヨークに出てきたパティはメイプルソープと共同生活をしていたそうで、このジャケットで見せる鋭い中にもあたたかさが垣間見られる表情もメイプルソープだから撮れた写真なのだろうなと思います。そういえば最近流行りの前だけインの着こなしはパティをヒントにしてるのでしょうか???
昔、もう20年以上前だと思いますが、「ラヴズ・ボディ ヌード写真の近現代」という展覧会があって、その中にメイプルソープも出展されていて、そこでパティ・スミスの写真を観ることができました。
図録も持っていますが、まあ、パティの美しいこと。これらの写真をシルバープリントで観る機会はなかなかないので、あの時大阪まで観に行ってよかったと思います。
アナログ盤もジャケット目当てで購入しました。このサイズで持っていたいアルバムですね。
“Horses” を描いてみた
前回のデヴィッド・ボウイもそうでしたが、今回のパティも有名写真家が撮影したカバー写真。しかも初めて女性を描くので、特に顔周りには気を使い、繊細なタッチで制作しました。
描きどころは顔、手、白シャツに右側からの光線が当たるところと陰のところがドラマティックに切り替わるところでした。描きどころと言いつつ、この線の集積で描いていく技法だと、白い部分はタッチを入れすぎるわけにもいかないので、明るさのコントロールがかなり難しいんですね。描いてみたけど濃すぎてやり直しとかもあって、なかなか大変でした。特に顔の陰の部分ですね。何度か調整しましたが最終的には満足のいく出来となりました。
次もロックの名盤を描こうと思いましたが、細かすぎて今まで以上に時間も根気も必要でした。次回も楽しんでいただけたらと思います。
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