多くのブルース・ギタリストに大きな影響を与えた三大キングのひとり
今日はフレディ・キングで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
フレディ・キングは、1934年生まれ、アメリカ・テキサス州ギルマー出身のブルース・ギタリスト、シンガー。
1949年秋にキングの家族はシカゴのサウスサイドに移り、キングは1952年に製鉄所で働き始めます。
シカゴではナイトクラブでマディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、Tボーン・ウォーカー、エルモア・ジェームス、ソニー・ボーイ・ウィリアムソンなどに触れ、キングはギタリストのジミー・リー・ロビンソンとドラマーのフランク・”ソニー”・スコットと共に初めてのバンド、エブリ・アワー・ブルース・ボーイズを結成しました。
キングは同時にリトル・ソニー・クーパー・バンドやアール・ペイトンズ・ブルース・キャッツなどのバンドのサイドマンとして働くこともあり、のちにはマディ・ウォーターズなど大物たちと共演しました。
1956年、キングはリーダーとして初のレコードをエル・ビー・レコードからリリースしました。A面はマーガレット・ウィットフィールドとのデュエット曲「Country Boy」で、B面はキングがヴォーカルをとった「That’s What You Think」でした。
キングは、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、リトル・ウォルターの本拠地であったサウスサイドのブルース・レーベル、チェス・レコードのオーディションを受けますが何度も不合格となり、結果としてウェストサイドの新しいブルース・シーンを牽引し、地位を確立することになりました。
1959年、キングはシンシナティのキング・レコードの子会社、フェデラル・レコードと契約。キングは1960年にシングル「Have You Ever Loved a Woman」をリリースします。オハイオ州シンシナティのキング・スタジオで行われた同じレコーディング・セッションでキングはインストゥルメンタルの 「Hide Away」を録音し、1961年にはR&Bチャートで5位、ポップ・チャートでは29位を記録しました。
「Hide Away」で成功を収めたキングは「The Stumble」、「Just Pickin’」、「Sen-Sa-Shun」、「Side Tracked」、「San-Ho-Zay」、「High Rise」、「The Sad Nite Owl」など30曲のインストゥルメンタルを録音しました。
フェデラルとの契約は1966年に切れ、1967年には初の海外ツアーがおこなわれました。彼の存在はプロデューサーでサックス奏者のキング・カーティスに注目され、カーティスは1968年にキングとアトランティックと契約。カーティスがプロデュースした2枚のアルバム「Freddie King Is a Blues Master」(1969年)と「My Feeling for the Blues」(1970年)を発表しました。
1969年キングはテキサス・ポップ・フェスティバルにレッド・ツェッペリンなどとともに出演。これをきっかけにキングはレオン・ラッセルが設立した新レーベル、シェルター・レコードとレコーディング契約を結びます。1971年にラッセルをはじめとするトップ・セッション・ミュージシャンを揃えて制作されたアルバム「Getting Ready…」をリリース。 この時期にはブルースの名曲やドン・ニックス作曲の「Going Down」などの新曲を含む3枚のアルバムが制作されました。
キングはエリック・クラプトンなどの大物ロック・アクトと一緒に演奏し、白人のツアー・ドラマー、ゲイリー・カーンズと共に白人を中心とした若いオーディエンスのために3年間演奏。その後、RSOレコードと契約を結び、1974年に「Burglar」、1975年に「Freddie King Larger Than Life」と2枚のアルバムをリリースします。
キングは1年のうち300日近くも演奏していました。1976年になるとキングは胃潰瘍に苦しみ始め、健康状態が急速に悪化。胃潰瘍と急性膵炎の合併症が原因で12月28日に亡くなりました。42歳でした。
フレディ・キングで一番好きな曲
フレディ・キングを初めて聴いたのは浪人時代でした。マディ・ウォーターズやB.B.キングに引き続き聴いていったブルースの巨人のひとりです。最初に聴いたときは「これ、クラプトンじゃないんだよね?」って思うほどヴォーカルが似ていて、びっくりしたことを覚えています。
フレディ・キングというと「Hide Away」に代表されるインストゥルメンタルの楽曲も捨てがたいところですが、シェルター・レコード時代の諸作でのロックのアプローチを取り入れたプレイが大好きでした。
フレディ・キングで一番好きな曲「この1曲」にはシェルターに移籍後初めてのアルバム1971年発表の「Getting Ready…」に収録された「Going Down」を選曲します。のちにジェフ・ベック・グループもレコーディングした曲ですが、これはもうブルース・ロックですね。タイトなリズムに乗っかる泣きのギターとパワフルなヴォーカルがたまりません。
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