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ビル・ウィザースのおすすめ「この1曲」

この1曲
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市民に寄り添うソウルシンガー

今日はビル・ウィザースで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
ビル・ウィザースは1938年アメリカ・ウエストバージニア州スラブフォークで生まれたシンガーソングライター。

17歳の時に海軍に入隊し9年間従軍。その間に彼は歌や曲作りに興味を持つようになります。1965年に海軍を退役し、1967年にロサンゼルスに移り音楽のキャリアをスタートさせました。 ウィザースは工場で働きながら、デモテープを制作し、クラブで演奏していました。

1970年初頭、ウィザースのデモテープはサセックス・レコードのオーナー、クラレンス・アヴァントの目に止まります。アヴァントはウィザースとレコード契約を結び、ブッカー・T・ジョーンズにファースト・アルバムのプロデュースを依頼しました。1971年にファースト・アルバム「Just as I Am」をリリース。このアルバムには全米3位でミリオンセラーとなったヒットシングル「Ain’t No Sunshine」が収録され、デビュー作にして全米35位と成功を収めます。1972年の第14回グラミー賞では「Ain’t No Sunshine」が最優秀R&Bソング賞を受賞しました。

1972年にはセカンド・アルバム「Still Bill」をリリースし、全米4位とヒットします。アルバムからシングルカットされた「Lean on Me」は全米1位を獲得。また「Use Me」も全米2位となり、彼にとって3枚目のミリオンセラーを達成します。 1972年10月6日のカーネギー・ホールでのパフォーマンスは録音され、ライブ・アルバム「Bill Withers, Live at Carnegie Hall」として1972年11月30日にリリースされました。

サード・アルバム「+’Justments」は1974年にリリースされ、全米67位を記録。ウィザースとサセックスとの間には法的な争いがあったため、1年後にコロンビアと契約するまでレコーディングをおこなうことができませんでした。

この間、グラディス・ナイト&ザ・ピップスのアルバム「I Feel a Song」の2曲を作曲、プロデュースし、1974年10月にはジョージ・フォアマンとモハメド・アリの歴史的な試合「ランブル・イン・ザ・ジャングル」の4週間前にザイールでジェームス・ブラウン、B.B.キングなどと共にコンサートをおこないました。このパフォーマンスは2008年のドキュメンタリー映画「Soul Power」に収録されています。

ウィザースは1975年にコロンビア・レコードと契約しアルバム「Making Music」をリリース。全米81位を記録します。その後の3年間は、「Naked & Warm」(1976)、「Menagerie」(1977)、「Bout Love」(1978)と毎年1枚のアルバムをリリースします。

アルバムのためにレコーディングされた曲がコロンビアや親会社のCBSに承認されなかったため、1977年から1985年まではアルバムをリリースせず、他のミュージシャンとのジョイント・プロジェクトをおこないます。1980年6月にリリースされたジャズ・サックス奏者のグローヴァー・ワシントン・ジュニアとの「Just the Two of Us」は全米2位を記録し、グラミー賞最優秀R&Bソング賞を受賞しました。 その後、ウィザーズはクルセイダーズとの「Soul Shadows」、ラルフ・マクドナルドとの「In Name of Love」などを発表していきます。

次のアルバムがリリースされたのは1985年の「Watching You, Watching Me」でした。このアルバムでウィザーズとコロンビア・レコードとの契約は終了します。自身のアルバム、収録曲にレーベル側から圧力がかかることを嫌っていたウィザースは、以降レコーディングしたりレーベルと再契約をすることなく、事実上、演奏活動に終止符を打ちます。

1988年に1977年のアルバム「Menagerie」から「Lovely Day (Sunshine Mix)」と題してベン・リーブランドがリミックスした「Lovely Day」の新バージョンがリリースされイギリスで4位とヒットしました。

1988年のグラミー賞では、クラブ・ヌーヴォーの「Lean on Me」のリレコーディングで作詞家として最優秀リズム・アンド・ブルース・ソング賞を受賞。これはウィザーズにとって3度目の受賞となりました。

2007年には「Lean on Me」がグラミー賞の殿堂入りを果たしました。2014年のグラミー賞ではウィザースの8枚のスタジオ・アルバムとライブ・アルバム「Bill Withers, Live at Carnegie Hall」を収録した9枚組の「The Complete Sussex & Columbia Albums Collection」が、グラミー賞の最優秀ヒストリカル・アルバム賞を受賞しました。

ビル・ウィザースは2020年3月30日、心臓疾患の合併症のため死去しました。81歳でした。

ビル・ウィザースで一番好きな曲

ビル・ウィザースは私が音楽を聴き出した中学生のころには引退していたので、触れることなく大学生になるまで聴いたことがありませんでした。聴き始めたのはニュー・ソウルにハマっていた時期でダニー・ハサウェイやカーティス・メイフィールド、マーヴィン・ゲイなどを聴き漁っていました。私と同時期にニュー・ソウルを聴く友人もいて、その会話の中で名前があがったのがビル・ウィザースでした。ベスト盤から入って、「Just as I Am」、「Still Bill」、そして「Bill Withers, Live at Carnegie Hall」と聴いていきました。このライブ盤が最高で、一番の愛聴盤となりました。カーティスといいダニー・ハサウェイといい、ニュー・ソウルの人たちってすごいライブ盤を残していますよね。

さて、ビル・ウィザースで一番好きな曲「この1曲」ですが、「Lovely Day」と迷いに迷ったんですが「Still Bill」収録の「Lean on Me」を選曲します。アメリカが危機にさらされた時に必ずといって良いほど国民によって歌われ、励まし続けている名曲ですね。「Lean on Me」にしても「Lovely Day」にしても民衆に寄り添い、励ますような温かみを感じます。ファミリーネームにWithが入っているビル・ウィザース。優しい人だったんだろうな。コロナで厳しい今日も歌で寄り添ってくれている気がします。どうか、安らかに。

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