圧倒的な歌唱力で60年代から活躍するソウル・シンガー
今日はアル・グリーンで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
アル・グリーンは1946年、アメリカ・アーカンソー州フォレストシティで生まれたシンガー、ソングライター。
幼少期からグリーン・ブラザーズというグループで兄弟たちと一緒に演奏を始め、高校時代にもアル・グリーン&ザ・クリエイションズというヴォーカル・グループで活動します。
1967年3月にファースト・アルバム「Back Up Train」をリリース。タイトル曲はR&Bチャートで5位とヒットしました。
グリーンはメンフィスのレコード・プロデューサー、ウィリー・ミッチェルと出会い、ハイ・レコードと契約。1969年に「Green Is Blues」をリリースし、全米19位と成功を収めました。
続く1971年のアルバム「Al Green Gets Next to You」では、テンプテーションズの「I Can’t Get Next to You」のカバーや彼の初の大ヒット曲「Tired of Being Alone」も収録されていました。
1972年1月にはアルバム「Let’s Stay Together」をリリース。タイトル曲はこれまでで最大のヒットとなり、ビルボード・ホット100とR&Bチャートの両方で1位を獲得。アルバムは全米8位を記録しました。
1972年10月のアルバム「I’m Still in Love with You」は全米4位となり、シングル「Look What You Done for Me」(全米4位)とタイトル曲(全米3位)がヒットします。
1973年4月のアルバム「Call Me」は全米10位を記録し、「You Ought to Be with Me」、「Call Me (Come Back Home)」、「Here I Am (Come and Take Me)」と3曲がトップ10入りを果たしました。
以降も「Livin’ for You」(1973年12月)、「Al Green Explores Your Mind」(1974年)、「Al Green Is Love」(1975年)、「Full of Fire」(1976年)、「Have a Good Time」(1976年)とアルバムをリリースしていきます。
しかし、1977年にアルバム「The Belle Album」をリリースする頃には、レコードの売り上げは急落していました。これは1974年にガールフレンドから火傷を受け、彼女が拳銃自殺したことに端を発し、以降、牧師になりたいというグリーンの願望も原因の一つでした。 ハイ・レコードからの最後のアルバム「Truth n’ Time」は1978年にリリースされ、1980年代に入ると、彼は牧師として、そしてゴスペル・シンガーとして活動します。
1980年にはアルバム「The Lord Will Make a Way」をリリース。 このアルバムのタイトル曲は後にグリーンがグラミー賞のベスト・ソウル・ゴスペル・パフォーマンス部門を受賞することになります。
1982年にグリーンはブロードウェイ演劇「Your Arms Too Short to Box with God」でパティ・ラベルと共演。 1984年にはロバート・ムゲ監督がドキュメンタリー映画「Gospel According to Al Green」を発表しました。
1985年、彼はギタリストのアンジェロ・アールと共演しウィリー・ミッチェルがプロデュースしたアルバム「He Is the Light」を発表。1987年にリリースされた「Soul Survivor」からのシングル「Everything’s Gonna Be Alright」はR&Bチャートで22位を記録し、1978年の「I Feel Good」以来のR&Bトップ40ヒットとなりました。
グリーンは1988年にアニー・レノックスと「Put a Little Love in Your Heart」をレコーディングしてポピュラー・ミュージックに復帰しました。映画「3人のゴースト」のサウンドトラックに収録されたこの曲は全米9位を記録し、久々のヒット曲となりました。
1990年代以降もコンスタントに制作を重ね、1994年にはライル・ロベットとのデュエット曲「Funny How Time Slips Away」で9度目のグラミー賞を受賞。2000年代に入るとブルーノートからアルバムを発表。2008年の「Lay It Down」は全米8位、R&Bチャートで3位と大ヒットしました。
アル・グリーンで一番好きな曲
アル・グリーンは私にとっては置きっぱなしにしてしまった人でした。というのも、スタックス系でもモータウン系でもなく、ファンクでもないので、名前は知っていたんですけど掘り下げるきっかけがなかったんですよね。
そんなアル・グリーンを意識的に聴き始めたのは、2000年くらいにパルプ・フィクションのリヴァイバル上映を観た時。パルプ・フィクションは大学時代に観てましたが、当時は聴き流しちゃって刺さらなかったんです。タランティーノが何気なく使う曲ってすごく良くて大好きなんですけど、「Let’s Stay Together」も映画の内容を知った状態で見ると曲の良さが際立って聴こえてきて、映画を観た後すぐにアルバム「Let’s Stay Together」を聴いたことを思い出します。
さて、アル・グリーンで一番好きな曲「この1曲」ですが、その後いろんなアルバムを聴きましたがやっぱり出会いの曲であり、代表曲でもある「Let’s Stay Together」を選曲します。力強く表現力豊かで色気もある。月並ですがアル・グリーンは本当に歌がうまいですよね。
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