“The Eminent Jay Jay Johnson vol.1” について
ジャケ写経#003は“The Eminent Jay Jay Johnson vol.1” J.J.Johnson。BLP 1505です。
10インチでリリースされた、「J.J.Johnson With Cliford Brown」(BLP 5028、1953年)、
「The Eminent J.J.Johnson」(BLP 5057、1954年)を再編集したものが1505番と1506番となります。
私は管楽器で吹いたことがあるのはリコーダーくらいで、ましてやトロンボーンなんて触ったこともないのですが、この楽器めちゃくちゃ演奏が難しいそうですね。スウィング時代には主要な楽器として活躍したトロンボーンですが、音程調節を伸縮するスライドでおこなうため、ビバップ時代の曲調には不向きで、ビバップを演奏するトロンボーン奏者はほとんどいなかったらしい。速くて細かな音程調節が必要な曲調でも演奏できたJ.J.ジョンソンは多くのセッションに参加することになります。
このアルバムではデビュー間もないクリフォード・ブラウンが参加していて、トロンボーンとトランペットで紡ぎ出す熱い演奏が聴きどころ。なかでも私のお気に入りの楽曲は、速い曲調の中で滑らかに音階を調節している「Get Happy」。これも何度針を落としたかわかりません。ジャズを聴くときに目の前で演奏しているところを思い浮かべるのが好きなんですけど、J.J.のスライダーを手前、奥に細かく動かすさまは間近で見てみたかったですね。
ジャケットは写真がフランシス・ウルフ、デザインはジョン・ハーマンセイダーが担当。大きな「J」が2つ90度回転した状態でレイアウトされ、赤いJの縦方向の延長線上にJ.J.の写真が配置されていてバランスをとっています。正方形の中で適材適所に素材を配置していて、Jを回転させるという当時はタブーだったかもしれないようなレイアウトを堂々とやってのけていて、普通じゃないですね。このレイアウトは。ちなみに私が持っている盤は、ヤフオクで落札した日本盤(東芝)。
“The Eminent Jay Jay Johnson vol.1” を描いてみた
3作目ともなるとだいぶ分かってきていて、縦ストロークとともに、塗りつぶしも併用しています。この制作で技法についてはほぼ固まった印象です。前2作に比べて写真の要素が小さいですが、文字のプロポーションに気を使いながら制作を進めました。写真部分のチューニング管、バランサーの影がJ.J.の顔に落ちているところが描きどころでした。ギョロっとした両目がなんとも味わい深い写真です。ほんと。
あとは、赤いJを縦ストロークで描いたところがポイントですね。塗りつぶしで表現しても良かったんですけど、絵としての特徴を出したかったのと、チラチラする効果で赤の鮮烈さを表現できたらと思いました。
コツは掴んだので、この調子で次も行ってみようと前途揚々な感じでしたね。この時は。次の1507番で下絵の壁みたいなことにぶつかりますが、それはまた次回。
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