多くのジャンルにまたがる音楽性でブラック・ミュージックを変革
今日はアース・ウィンド・アンド・ファイアーで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
アース・ウィンド・アンド・ファイアー(EWF)は1969年にアメリカ・イリノイ州シカゴで結成されたバンド。その音楽性はR&B、ソウル、ファンク、ジャズ、ディスコ、ポップス、ロック、ダンス、ラテン、アフロポップなどを横断し融合するものでした。
1969年、チェス・レコードの元セッション・ドラマーであり、ラムゼイ・ルイス・トリオの元メンバーでもあるモーリス・ホワイトはザ・ソルティ・ペパーズを結成。キャピトル・レコードとレコーディング契約を結び、中西部地域で「La La Time」というタイトルのシングルをヒットさせました。
その後モーリスはシカゴからロサンゼルスに移り、弟のヴァーダインなど新しいメンバーを加入させます。バンドはワーナー・ブラザースとレコードと契約しました。
バンド名をアース・ウィンド・アンド・ファイアーに変更。ロサンゼルスでさらにオーディションを行いメンバーを補充し総勢10人以上のバンドになります。
1971年2月にセルフ・タイトルのデビュー・アルバム「Earth, Wind & Fire」がリリースされ、1971年11月にはセカンド・アルバム「The Need of Love」をリリース。しかし2作のアルバムは大きなヒットを獲得できずバンドは一度解散しました。
1972年、モーリスはヴォーカルのフィリップ・ベイリーなど新しいメンバーを加え、コロンビアと契約。その年の10月にアルバム「Last Days and Time」をリリース。このアルバムはソウル・アルバム・チャートで15位を記録しました。
EWFの4枚目のスタジオ・アルバム「Head to the Sky」は1973年5月にリリースされました。このアルバムは全米27位にランクインし、プラチナ認定を受けます。
1974年3月には5thアルバム「Open Our Eyes」を発表。 このアルバムは全米15位を記録しました。
1975年、映画のサウンドトラック「That’s the Way of the World」を録音。アルバムは1975年3月にコロンビアからリリースされ、全米1位を獲得しトリプル・プラチナに認定され、シングルカットされた「Shining Star」が全米1位を獲得しました。これによりEWFは、ビルボードのアルバム・チャートとシングル・チャートの両方で1位を獲得した初の黒人アーティストとなりました。この曲はグラミー賞の最優秀R&Bパフォーマンス賞を受賞しました。
黄金期を迎えたEWFはその後、ライブ音源に新曲も加えた1975年の「Gratitude」(全米1位)、ホワイトは自らプロデュースを担当した1976年の「Spirit」(全米2位)、グラミー賞を受賞した1977年の「All ‘n All」(全米3位)、1979年の「I Am」(全米3位)、1980年の「Faces」(全米10位)とヒットアルバムを量産していきます。
80年代に入るとエレクトロニック・サウンドを導入していき、1981年に「Raise!」をリリースし、全米5位を記録。しかし、つづく1983年にリリースされた「Powerlight」(全米12位)、「Electric Universe」(全米40位)と徐々にチャートを下降させ、1984年にEWFは活動を一時休止します。
活動休止中にはモーリスやベイリーがソロ・アルバムを発表し、1987年に再始動。11月にアルバム「Touch the World」をリリースし全米33位を記録します。
90年代に入っても1990年「Heritage」、1993年「Millennium」、1997年「In the Name of Love」とアルバムを発表しつづけますが、1997年ころからモーリス・ホワイトが神経障害を発症。1999年にはパーキンソン病と診断されていたことを発表します。モーリスは当初パーキンソン病をコントロールしていたため、EWFの公演に時々登場し、EWFや他のアーティストのために作曲、録音、プロデュース、新しいレコーディングの開発を続けます。EWFは2000年代に入っても2005年「Illumination」、2013年「Now, Then & Forever」、2014年「Holiday」とアルバムをリリースしますが、2016年2月4日に闘病を続けていたモーリス・ホワイトが死去します。その後は解散はせず、ライブを中心に活動を続けています。
アース・ウィンド・アンド・ファイアーで一番好きな曲
EWFの曲は多くのCMで起用され、ラジオでも流れていたので、小学生でも知っているような曲が多くありましたね。日本人はEWFの曲をずーっと刷り込まれ続けて育っているんじゃないでしょうか。
曲単位ではよく知っているけれどアルバムは聴いたことがないまま成長してしまい、初めてアルバムを手にしたのは高校生でした。「All ‘n All」を聴き込み、その周辺のアルバムから聴いていきました。すんなり耳に入ってきた印象が残っていて、これも幼少期から刷り込まれているからなんだと思います。
EWFで一番好きな曲「この1曲」は、数多くの候補曲がある中、コンピュータ・サウンドを導入した意欲作「Raise!」を象徴する1曲目「Let’s Groove」を選曲します。私はヴォコーダーが好きでロバート・グラスパー・エクスペリメントのケイシー・ベンジャミンとか大好きなんですが、元を辿れば多分この曲に行き着きますね。曲はもちろんですが、ビデオが最高にかっこいい曲です。
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