HR/HMの源流ともいわれるサイケデリック・ロック・バンド
今日はヴァニラ・ファッジで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
ヴァニラ・ファッジは1966年にアメリカ・ニューヨークで結成されたロックバンド。
オリジナルメンバーと担当楽器は以下の通り。
- マーク・スタイン(ヴォーカル、キーボード)
- ヴィンス・マーテル(ギター)
- ティム・ボガート(ベース)
- カーマイン・アピス(ドラムス)
地元のバンドメイトだったマーク・スタインとティム・ボガートはラスカルズのオルガンを多用したサウンドに感銘を受け、1965年にヴィンス・マーテルを引き入れ、エレクトリック・ピジョンズを結成。すぐにバンド名を縮めてピジョンズとしました。1966年12月にはカーマイン・アピスが加入し、オリジナルメンバーが固まります。
1967年4月にはヴァニラ・ファッジと再び改名しアトランティック・レコードと契約します。
1967年6月にはカバーを多用したジャム志向のファースト・アルバム「Vanilla Fudge」をリリース。大規模なツアーをおこないファン層を拡大。アルバムは全米アルバム・チャートで6位を記録しました。
1968年2月にはセカンド・アルバム 「The Beat Goes On」をリリース。このアルバムも全米17位とヒット。その年の夏にはシングル「You Keep Me Hangin’ On」をリイシューし、全米6位を記録。続いて1968年6月にサード・アルバム「Renaissance」もトップ20入りを果たしました。
大規模なツアーをおこないながら1969年2月には4thアルバム「Near the Beginning」をリリース。全米16位を記録。
絶え間ないツアーに疲れ果てたヴァニラ・ファッジは1969年後半のヨーロッパ・ツアーを最後にすることを決意。1969年9月にファイナル・アルバム「Rock & Roll」のリリース後、アメリカで数回のお別れのコンサートをおこない、1970年初頭に解散しました。
ボガートとアピスはハード・ロック・グループ、カクタスを結成し、その後ジェフ・ベックと合流してベック、ボガート&アピスを結成しました。アピスはセッションやツアーで活躍するミュージシャンとなり、様々なミュージシャンと仕事をしました。
マーク・スタインは新しいメンバーを加入させヴァニラ・ファッジの存続を目指しましたが果たせず、結局ブーメランを結成しました。
ヴァニラ・ファッジは1982年に再結成し、1984年にはジェフ・ベックをゲストに迎えたニュー・アルバム「Mystery」をリリースしました。
2006年の夏には、オリジナルメンバーで再結成し、21世紀のドアーズとツアーをおこないました。またこの年、レッド・ツェッペリンを独自に解釈したアルバム「Out Through The In Door」をリリースしました。
オートバイ事故による健康上の問題を理由に、ティム・ボガートは2010年にツアーから引退。2002年から何度もティムの代役を務めてきたピート・ブレミーが後任として参加しました。2015年には最新アルバム「Spirit Of ’67」をリリースしました。
ヴァニラ・ファッジで一番好きな曲
子供の頃にどこかで聴いて、知識もないので誰かもわからず、モヤモヤしたまま大人になって「あ、この曲、○○○○だったんだ!」という経験ありませんか?
私にとってヴァニラ・ファッジ「You Keep Me Hangin’ On」がまさしくそれ。子供のころから脳内再生を繰り返していましたが、高校生の時にテレビでエド・サリヴァン・ショーのアーカイヴを観た時にこの曲が流れて、長年のモヤモヤを解消。翌日にはレンタルショップで見つけて音源を確保しました。
ヴァニラ・ファッジのアルバムの多くは当時CDを買えず、長年カセットテープで聴いていましたが、20年前にカセットデッキを手放してからはオーディオで聴いていないのでCDを手に入れたいと思う今日この頃です。
ヴァニラ・ファッジで一番好きな曲「この1曲」は、ファースト・アルバム「Vanilla Fudge」に収録され、思い出深い「You Keep Me Hangin’ On」を選曲します。
もともとはスプリームスが1966年にリリースしたNo.1ヒットの曲。スローペースに変換し、凄腕リズム隊二人に支えられながら、印象的なギター、オルガンをフィーチャーしたサイケデリックな曲調がクセになります。
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