- 2021年は26枚の新作アルバムを購入
- The Black Crowes / Shake Your Money Maker
- Shai Maestro / Human
- 情家みえ / The Rest Of Your Life
- Brad Mehldau, Orpheus Chamber Orchestra / Variations On A Melancholy Theme
- R+R=NOW / R+R=NOW Live
- Norah Jones / …’Til We Meet Again
- Cameron Graves / Seven
- James Francies / Purest Form
- GoGo Penguin / GGP/RMX
- Paul McCartney / McCartney III Imagined
- Michael League / So Many Me
- John Coltrane / A Love Supreme Live In Seattle
- Nina Simone / The Montreux Years
- Radiohead / Kid A Mnesia
- Flying Lotus / Yasuke
- Theo Croker / Blk2life || A Future Past
- Samara Joy / Samara Joy
- Mr Jukes & Barney Artist / The Locket
- Ani Di Franco / Revolutionary Love
- Hiromi The Piano Quintet / Silver Lining Suite
- Bigyuki / Neon Chapter
- Amaro Freitas / Sankofa
- Alfa Mist / Bring Backs
- Cleo Sol / Mother
- Makaya McCraven /Deciphering The Message
- Emma-Jean Thackray / Yellow
- まとめ
2021年は26枚の新作アルバムを購入
去年の今頃は利き手を骨折してしまいブログも書けなかったので、1年間の振り返りも久々です。
今年は個人的にはSpotifyを導入し、より多くの音源が聴けるようになりました。Spotifyで試聴して良かったものをフィジカルで購入する流れができ、聴いたことがない人の作品にも手を出しやすくなり、結果26枚を購入。枚数も例年より少し増えた印象です。
今日は購入した新作アルバムを1枚ずつ紹介していこうと思います。
The Black Crowes / Shake Your Money Maker
ブラック・クロウズのデビュー作「Shake Your Money Maker」がリリースから30周年を迎え、記念盤が発売されたのでクロウズ・フリークの私としては当然買いでした。内容は、CD1が新しくリマスターされた音源。CD2が未発表曲とB面曲を集めたもの。CD3が故郷アトランタでの1990年12月のライブとなっています。未発表曲「Charming Mess」があの頃の空気を感じさせてくれて最高でした。
兄弟仲も良くなってるみたいなんで、この調子で次はサザン・ハーモニーの30周年やってくださいな。あと来日ライブもお願いしたい。
Shai Maestro / Human
イスラエル出身のピアニスト、シャイ・マエストロの6作目「Human」。これまでの作品に参加し続けているホルヘ・ローダー(b)と、これもイスラエルのドラマー、オフリ・ネヘミヤ(ds)にトランぺッター、フィリップ・ディザックを加えた初めてのカルテット編成。いかにもECMらしい洗練された演奏が堪能できます。優しく、時に叙情的で、高揚感にあふれる。今後も追いかける人が増えました。
情家みえ / The Rest Of Your Life
情家みえの4作目「The Rest Of Your Life」はいつもの後藤浩二(p)に加え、3曲に本川悠平(b)が参加。スタジオではなく守山文化小劇場というホールでの録音。家から近くてびっくりしました。1st「Mie Joke Sings Ballads And Other Love Songs」のようなミニマム(あの時はデュオでしたが)な編成で、高音も低音も伸びやかな歌声はあの頃と変わらず、良いところに届きますね。各地をライブで回っているので久々に観たい。
Brad Mehldau, Orpheus Chamber Orchestra / Variations On A Melancholy Theme
ブラッド・メルドーの新作「Variations On A Melancholy Theme」はオルフェウス室内管弦楽団とのコラボレーション作品。ジャズとクラシックの融合はメルドーのテーマとしてここ最近顔を出し、ジャズファンを驚かせますが、今回もびっくりしました。1曲1曲は短く、全体でも34分程度。曲の切れ目はほとんど感じられず、1曲と言っても良いほどです。あっという間に聴き終わってしまいますが、演奏の緊張感はすごい。次はトリオでがっつりジャズをやってくれると思うのでそれも楽しみです。
R+R=NOW / R+R=NOW Live
ロバート・グラスパー、テラス・マーティン、クリスチャン・スコット、デリック・ホッジ、テイラー・マクファーリン、ジャスティン・タイソン。名前を並べるだけでもドキドキしてしまうR+R=NOW。スタジオアルバムも素晴らしい出来でしたが、このライブ盤もすごかった。R+R=NOWもDinner Partyもそうですけどグラスパーとテラスが組むと面白い。普段このメンバーと交わらないクリスチャン・スコットのトランペットがすごく新鮮に聴こえます。このメンバーでの2作目も聴いてみたいです。
Norah Jones / …’Til We Meet Again
つづいてもライブ盤。ノラ・ジョーンズの「…’Til We Meet Again」です。ノラはコロナ禍でずっと動画配信するなど、日々生きていく力になってくれました。励まされた人も多いのでは?このアルバムはタイトルが示すように、「また会える日が来るまで」このライブ盤で楽しんでねというノラからのプレゼントですね。最近出たクリスマスアルバムも最高でした。ノラは円熟期を迎えていますね。次のスタジオアルバムも楽しみです。
Cameron Graves / Seven
カマシ・ワシントンが一番信頼するピアニスト、キャメロン・グレイヴス。新作「Seven」はジャンルの壁をぶっ壊す勢いのメタル系のジャズ。こういうジャンルの枠を取っ払い、もしくは拡張するような作品は応援したいです。硬質なピアノとメタル・テイストなギター、疾走するドラムのアンサンブルがたまりません。
James Francies / Purest Form
ジェイムズ・フランシーズの2作目「Purest Form」にも驚きました。ピアノとシンセを同時に演奏しているのですが、生で観たいですね。右手と左手どう動くんだろう。アルバム聴いているだけでは不十分に思えてきます。2曲目の「Levitate」でまずノックアウトですが、ハイライトはやはり6曲目の「My Favorite Things」。この曲をカバーする人は多くいますが、こんなアグレッシヴなMy Favorite Thingsは初めて。圧巻の一言です。
GoGo Penguin / GGP/RMX
ゴーゴー・ペンギンの5枚目のアルバム「GoGo Penguin」のリミックス盤「GGP/RMX」。エレクトロニカのような音を生の楽器で演奏することが最大の魅力とも言えるゴーゴー・ペンギンのリミックス盤リリースに、私は最初すごく懐疑的でした。「それ、やっちゃっていいの?」って。でも聴いてみるとこれはこれですごくいい。本人たちも驚きがあったんじゃないかと想像するし、今後の良いヒントにもなったのでは?って思ってたらドラムスのロブ・ターナー脱退。ショックでしたが、双方が前に進み始めているようで今後に期待です。
Paul McCartney / McCartney III Imagined
ポール・マッカートニーの「McCartney III Imagined」。昨年、コロナ禍で一人で制作し発表された「McCartney III」のリミックス・カバーもの。ここ10年くらいのポールは傑作が多く、「McCartney III」もさすがの仕上がりだったわけですが、このアルバムは期待はずれまでは言いませんが、私には正直刺さらなかったです。数年後、印象が変わるかもしれませんが。ただ、ベックがリミックスした「Find My Way」のビデオはびっくりしたしカッコよかった。さすがベック。
Michael League / So Many Me
スナーキー・パピーのマイケル・リーグ初のソロ・アルバム「So Many Me」。自身で全ての楽器を演奏していてさすがのマルチぶりを発揮していますが、とにかくアフリカ、中東あたりの打楽器や弦楽器が数多く使われていて面白い。ポコポコ楽しいです。歌ものというのも意外でした。影響を受けたというXTCやピーター・ガブリエルの雰囲気を感じますね。エッチング風のジャケットも格調高く素敵。
John Coltrane / A Love Supreme Live In Seattle
コルトレーンの最高傑作に挙げられることも多い超名盤「A Love Supreme(至上の愛)」。私も同じく大好きな盤ですが、ほとんどライブで演奏されず、残っている音源も少ない。そんな中発掘された「A Love Supreme Live In Seattle」。最初はスルーしようと思っていたのですが、タイムラインやニュースに表示されることも多く、我慢できずに買っちゃいました。録音状態ははっきり言って良くないですが、エルヴィンのドラムが大好きな私にとっては楽しめるアルバムでした。
Nina Simone / The Montreux Years
ニーナ・シモンのモントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏をおさめたライブ盤「The Montreux Years」。ボリューム満点です。ニーナはモントルーに5回出演していて、満遍なくセレクトされた音源なのですが、時代が変わっても違和感なく聴けます。私は特に夜中に聴くことが多かったアルバム。「寝る前のジャズ」のTwitter投稿の後に聴く感じで夏の間はずっと聴いてました。これもジャケットが可愛いですね。
Radiohead / Kid A Mnesia
レディオヘッドの「Kid A Mnesia」にも驚かされました。「Kid A」と「Amnesiac」が同時期にレコーディングされたのはリアルタイムで見てきたので解っていましたが、ここまで未発表音源が多く残されているとは。。。当時のレディオヘッドの創造力は並はずれていましたね。それで未発表音源がまた良いんですよね。キュレーションの仕方が変わればアルバムに入れていただろう完成度。今回のこういう形が正しい感じがします。そういえばライナーノーツで「Kid A」が女の子だったことを知りました。男の子イメージでずっと聴いていたのでそれもびっくり。
Flying Lotus / Yasuke
フライング・ロータスの「Yasuke」はNetflixのアニメーション作品のサウンドトラック。戦国時代に実在し信長に仕えたアフリカ系の家臣「弥助」がモチーフで、さすがアニメオタクのフライローとサンダーキャット。気合いの入り方が違います。フライローは物語の設定やキャラクターなどにもアドバイスをしていて総合的に関わっています。中でも素晴らしかったのは出だしの「Black Gold」。超ポップです。音楽だけでも楽しめる作品になっていますね。
Theo Croker / Blk2life || A Future Past
シオ・クローカーの「Blk2life || A Future Past」は12月に購入してここ最近はよく聴いている1枚。彼の名前を初めて目にしたのはアシュリー・ヘンリー「Beautiful Vinyl Hunter」で、その時から気になっていたトランペッターでした。でもそれはあくまでトランペッターとして認識していた程度で、コンポーザーやプロデューサーとしてはほとんど知らない人でしたが、このアルバムほんとに素晴らしいですね。だんだん体に沁みてきてハマっていってます。
Samara Joy / Samara Joy
これがデビュー作となるサマラ・ジョイはニューヨーク出身のジャズ・シンガーでまだ21歳!この声で21歳は驚きです。どこか サラ・ヴォーンを彷彿とさせますが、「サラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペティション」で優勝したことがきっかけだったようです。こういうスタンダード作品に真正面から挑んでこのクオリティで仕上げてくる。アメリカの底知れなさを感じます。ギターのパスカル・グラッソの演奏も素晴らしい。グラミーノミネートはならなかったですが、今後が楽しみなひとりですね。
Mr Jukes & Barney Artist / The Locket
ミスター・ジュークスのセカンド・アルバムはラッパーのバーニー・アーティストとの共作でヒップホップ寄りのサウンドでした。アルバム通しても30分弱の短い作品ですが、ひたすらに心地よく、何度もリピートしてしまいます。このふたりかなり相性がいいので今作だけでなくコラボレーションを続けてほしいです。これをきっかけにバーニー・アーティストのアルバム「Home Is Where The Art Is」も購入しましたが、そちらもとても良かったです。
Ani Di Franco / Revolutionary Love
アーニー・ディフランコの通算20作目のスタジオ・アルバム「Revolutionary Love」。フォーク、ジャズ、ラテンなどがミックスされた独特のサウンドは今回も期待を裏切らない素晴らしい内容でした。もうかれこれ25年以上アーニーを聴いていますが毎回進化があって驚かされます。アーニーってライブ至上主義で、もともとスタジオワークが嫌いだって言ってた気がしますが、今回の作り込みは何なんでしょう。コロナ禍でスタジオにこもるしかなかったのでしょうがマジックですね。傑作です。
Hiromi The Piano Quintet / Silver Lining Suite
いつも世界を飛び回っている上原ひろみはコロナの影響で日本に釘付けになり、コロナ禍で何かできることをとブルーノートで連続公演をしたり、さまざまなカタチでの配信をおこなったりと、業界を、そして我々ファンを勇気づける活動をしてくれました。そんな日本での活動中に思いついたのがこのピアノ・クインテットでのアルバム制作。作曲、演奏共に素晴らしく、新しい一面を見せてくれました。先日は名古屋でのライブも体験でき、最高でした。
Bigyuki / Neon Chapter
昨年末のEP「2099」の熱が冷めないうちに届いたサード・アルバム「Neon Chapter」。私はこのアルバムを年間通して一番多く再生したのではないかと思っています。ジャズ、ヒップホップ、R&B、エレクトロニカなど、とにかく曲のバリエーションが豊かです。これまでのアルバムでは自身でシンセベースを弾いていて、それもライブで観ることができ実際凄かったのですが、今回は曲によっては日本人ベーシストの中村恭士が参加していて、これも新しかった。次はこのアルバムをフィーチャーしたライブを期待します。
Amaro Freitas / Sankofa
今年出会った人で一番驚きが大きかったブラジル人ピアニスト、アマーロ・フレイタス。「Sankofa」は彼の3作目のアルバムです。一聴して特殊性がわかる演奏でかなり驚きました。音楽大国ブラジルだからこそ育まれたリズム感、グルーヴなのでしょうか。曲もいろんな曲があって、ブラッド・メルドーやロバート・グラスパーの影響を感じるもの、ロック調のものまで豊富。今後も追いかけていきたいピアニストです。
Alfa Mist / Bring Backs
アルファ・ミストのサード・アルバムは女性ヴォーカル、ストリングス、ラップ、ポエトリー・リーディングなどが絡み合い、曲ごとに印象が変わるんですけど、通して聴くとアルファ・ミストの作品が持つ独特の心地よさは根底にあって、安心して楽しめる作品。彼はもともとビート・メイカーでピアノは独学ということですけど、毎回アップグレードされていますね。彼もライブで観たことがありますが、YouTubeで公開されているライブ動画がかなり良かったのでこのアルバムの演奏も実際に観てみたいです。
Cleo Sol / Mother
なかなか手元に盤が届かなかったクレオ・ソルの「Mother」。ずっとSpotifyのお世話になっていましたが12月に無事到着。アマゾンで発売日の延期ばかりやられてたのでタワレコに変えたらすぐに届きました。そんなわけでSpotifyで今年最も聴いたアルバムはこれになってましたね。夏以降ずっとリピートしたので納得です。朝でも夜でも聴きたい時間帯にマッチする作品。私にとってはジョニ・ミッチェル「Blue」に匹敵するような、この先ずっと聴き続けていくであろうアルバムです。
Makaya McCraven /Deciphering The Message
マカヤ・マクレイヴン「Deciphering The Message」。ジャズ好き界隈ではほとんどの人が挙げてたんじゃないでしょうか?ドン・ウォズにブルーノートの全ての音源の使用を許可され、それらのサンプリングと自身の生演奏も加える手法で制作。ブルーノート好きの私としてはかなりツボな一枚です。マカヤは天才ですね。大名盤を作り上げました。前作の「Universal Beings」、その続編の「Universal Beings E & F Sides」と合わせ、新時代ジャズのマスターピースでしょう。これは。
Emma-Jean Thackray / Yellow
最後に紹介するのはエマ=ジーン・サックレイのファースト・アルバム「Yellow」。昨年のブルーノートの音源をUKの各アーティストが再構成したコンピレーション「Blue Note Re:imagined」にウェイン・ショーター「Speak No Evil / Night Dreamer」で参加したのがエマとの出会いでしたが、まさかこんなにすごい1stを作るとは。。。スピリチュアルやファンクな楽曲もクールに構築されていて、かなり作り込んだサウンドであるにもかかわらず、聴きやすく、心地よく、フックもあるので何度もリピートします。最高ですね。
まとめ
今年も素晴らしい作品に多く出会えて幸せでした!来年こそはこれら作品たちのライブを体験したいですね。まだTwitter上で他の人が選んだ年間ベストアルバムを聴けてないものもありますので、Spotifyで聴いて良いのがあれば購入していきたいです。
今年は更新頻度も控えめでしたが、来年も私のペースで続けて行けたらと思います。来年もお付き合いいただけると幸いです。みなさんも素敵なミュージックライフを送られますように!
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