70年代にLGBT解放を叫んだパンクバンド
今日はトム・ロビンソン・バンドで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
トム・ロビンソン・バンドは1976年にイギリス・ロンドンで結成されたロックバンド。
メンバーと担当楽器は以下の通り。
- トム・ロビンソン(ヴォーカル、ベース)
- ダニー・カストウ(ギター)
- マーク・アンブラー(オルガン、ピアノ)
- ドルフィン・テイラー(ドラムス)
1950年6月1日、ケンブリッジの中流階級の家庭に生まれたトム・ロビンソンは、13歳のときに同級生の男子に恋をし、自分がゲイであることを認識します。当時、イギリスでは男性の同性愛が法的に規制されており、トムは神経衰弱に陥り、16歳の時に睡眠薬自殺を図ります。
学校の先生の紹介で、彼はケント州にある、感情的な問題を抱える10代の若者のためのセラピー・コミュニティ、フィンチデン・マナーに転校します。 トムはここで音楽の道に進むことを決めます。
その後ロンドンに移ったトムはアコースティック・グループのカフェ・ソサエティを結成。セックス・ピストルズに影響を受けたトムはトム・ロビンソン・バンドを結成。
バンドはロンドンのパンク爆発の真っ只中にあったクラブシーンでヒットしました。ゲイであることを隠さず、差別への怒りを歌う彼らのライブは好評を博し、すぐにレコード会社が訪れるようになります。
トム・ロビンソン・バンドはEMIと契約し、1977年10月にはデビュー・シングル「2-4-6-8 Motorway」をリリース。全英シングル・チャートのトップ5に入る成功を収めます。
続いて、1977年11月にロンドンのライセウム・シアターでライヴ録音された4曲入りのEP「Rising Free」をリリース。このEPにはゲイであることを誇る「(Sing if You’re) Glad to Be Gay」が収録されBBCはこの曲を放送禁止にしますが、全英18位を記録するヒットとなります。
1978年5月にはファースト・アルバム「Power in the Darkness」をリリース。全英アルバム・チャートで最高4位を記録し、ゴールド・アルバムを獲得。
ファースト・アルバムのレコーディング後にマーク・アンブラーが脱退し、イアン・パーカーが後任として加入。その後、セカンド・アルバム「TRB Two」のレコーディングをおこないました。収録曲について意見がぶつかり、ドルフィン・テイラーが脱退。「TRB Two」は1979年3月にリリースされ全英18位を記録。
バンドはツアーに出ますが、この時点でバンドの内紛は手が付けられない状態になっており、ダニー・カストウが脱退を決意。バンドは解散となります。
以降、トム・ロビンソンはセクター27で活動したのちにソロとなり、現在まで活動を続けLGBTの解放を訴え続けています。
トム・ロビンソン・バンドで一番好きな曲
トム・ロビンソン・バンドを初めて聴いたのは高校生のころ。美術予備校の同期のOくんに「Power in the Darkness」を貸してもらったのがきっかけ。パンクバンドの中でも演奏は最高ランクに上手いし、特にギターはカッティングがめちゃくちゃカッコいい。このアルバムは今でもたまに聴きたくなるアルバムですね。セカンドの「TRB Two」は世間の評価は低いですが、私はこれも結構好きでよく聴いていました。
トム・ロビンソン・バンドで一番好きな曲「この1曲」は「Power in the Darkness」収録の「2-4-6-8 Motorway」を選曲します。やっぱりこの曲ですよね。3コードのシンプルな曲で、ギターとオルガンの絡みが最高です。
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