今日の「カバーの名曲」はロッド・スチュワートがカバーした「Handbags and Gladrags」を取り上げます。
クリス・ファーロウ「Handbags and Gladrags」
「Handbags and Gladrags」のオリジナルは、イギリスのヴォーカリスト、クリス・ファーロウが1967年に発表したシングルです。アルバムに最初に収録されたのは1969年のコンピレーション「The Last Goodbye」ですが、「The Last Goodbye」を筆頭に彼のアルバムを入手するのはかなり難しい状況で、このアルバムはAmazonにも在庫がありません。ヴァン・モリソンにも通ずるソウルフルでパワーに溢れたヴォーカルが特徴の名曲です。
この曲はマンフレッド・マンのマイク・ダボが提供した曲ですが、セルフ・カバーのダボ版も1970年に発表されていて、ギターが前面に出たバンドサウンドのアレンジでこちらも味わい深いです。
後年ではステレオフォニックスがカバーしていて、こちらもケリー・ジョーンズのヴォーカルがハマっててめちゃくちゃかっこいいです。MVが美しくドラマチックな曲をさらに昇華させています。ケリーのヴォーカルはロッドに寄せていて、「こんなに似てたっけ?」と思うほど。やはりケリーも素晴らしいヴォーカリストですね。
ロッド・スチュワートの演奏
ロッド・スチュワートはカバーの名手で多くのカバー曲を録音していますが、その中でもこの「Handbags and Gladrags」は特別な曲。ソロのファースト・アルバム「An Old Raincoat Won’t Ever Let You Down」では1曲目がストーンズの「Street Fighting Man」のカバーで、「俺はシンガー。どんな曲でも俺流に歌っちゃうもんね」という気概を感じますが、一番スッと入ってくるのは「Handbags and Gladrags」のような味わいのあるバラード。ほかにもカバーやオリジナルでこの路線の曲が多いですし、この曲がその出発点とも考えられます。こういう曲を歌わせると右に出る人はいない。やはりロッドはスペシャルなヴォーカリストですね。
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