“The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1” について
ジャケ写経#004は “The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1” The Jazz Messengers。BLP 1507で、1500番台では初めてのライブ盤。1955年11月23日、ニューヨークのカフェ・ボヘミアで録音されたもので、これまでの再編集盤とは異なり、初めて1500番台のために制作されたアルバムです。ハードバップの幕開けを告げる名盤ですね。
私のお気に入りは「Minor’s Holiday」。アート・ブレイキーの怒涛のドラミングから始まるハードバップらしい曲ですね。ブレイキーは終始細かいリズムを刻み、全てのプレイヤーがそれに呼応して演奏が高速でアツい。テーマもソロも聴きどころ満載でいつもワクワクしてしまいます。
ジャケットは写真がフランシス・ウルフ、デザインはジョン・ハーマンセイダーが担当。写真よりも文字が大きく表示されているレイアウトが鮮烈です。この文字、当時はデジタル書体どころかパソコンもない訳で、写真植字(写植)を写植屋さんに頼んで、あがって来た文字をカットしてレイアウトしていると思われます。曲線がいびつな線になっているのは多分そのせいで、これも味がありますね。高校生の頃、ブルーノートのジャケットのかっこよさにハマっていた私は「MESSE」で改行していいんだと、その自由さに感動したのを鮮明に覚えています。
私が所有しているのはアメリカ盤(UA盤)。ヤフオクで落札しました。オリジナル盤とは違って、ステレオなど情報が多く、レイアウトが変わっています。文字はそのままで写真の下の方をカットしてますね。
“The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1” を描いてみた
これまで写経してきたアルバムは全て、個人をフィーチャーしたアルバムでしたが、今回は初めてのグループ。5人の写真が並びます。これはなかなか大変そうだと思いましたが、実際これまでで一番時間がかかりました。最初は線画で描いていくのですが、これが終わらない。終わらない。下絵だけで2週間くらいかかりました。下絵の段階で時間を消費するのは根気がいります。うまくいくかどうかは進めてみないとわからない部分もあるので、不安もありながら進めました。写真部分ももちろんなのですが、やっぱり文字。プロポーションが狂うと一眼で分かってしまいますし、その文字らしさが出てこないので、かなり神経をすり減らしながら描きました。
その甲斐あってか、最終的にはかなりいいものができたなと思います。特にブレイキーのドラミングは表情も含めて臨場感を出せたんじゃないかと。下絵で苦労した分、出来上がっていくのは嬉しかったですし、達成感がありました。
【関連記事】
・【ジャズ名盤】ブルーノート1500番台一覧
コメント