ニューオリンズを拠点に活動するジャズ・ファンク・バンド
今日はギャラクティックで一番好きな曲「この1曲」を取り上げます。
ギャラクティックは1994年にアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズで結成されたバンドで、ジャズ、ファンク、ロック、ヒップホップとジャンルを横断し、ミックスする音楽性が特徴です。
デビュー当時のメンバーと担当楽器は以下の通り。
- ロバート・マーキュリオ(ベース)
- ジェフ・レインズ(ギター)
- リチャード・ヴォーゲル(キーボード)
- スタントン・ムーア(ドラムス)
- セリル・”ハウスマン”・デクロウ(ヴォーカル)
同じメリーランド州出身でニューオーリンズの大学に通っていたロバート・マーキュリオとジェフ・レインズは、ミーターズなどのニューオーリンズ・ファンクが好きでニューオーリンズでの音楽活動を夢見ていました。結局二人は大学を中退し、ギャラクティック・プロフィラティックを結成。クラブへの出入りを始めます。
クラブ「ベニーズ」を初めて訪れた二人はマイケル・ワード・アンド・リワードというグループのヴォーカリスト、セリル・”ハウスマン”・デクロウと出会い、デクロウは二人と行動を共にします。その後、ニューオーリンズ出身でニューオーリンズ・クレツマー・オールスターズに在籍していたドラマーのスタントン・ムーア、キーボーディストのリチャード・ヴォーゲル、そして目指すサウンドには不可欠なホーンセクション3人を加え、体制が整います。
リハーサルを積みライブ活動をおこなっていた彼らに、ユビキティー・レコードのプロデューサー、ダン・プロセロが目を付けデモ・テープ「Black Eyed Pea」を制作。プロセロはこのトラックをユビキティー・レコードのコンピレーション・アルバム「Is That Jazz?」に収録。初めて音源がリリースされることになります。そして、この機会にバンド名を「ギャラクティック」に短縮する形で改めます。
1996年にはファースト・アルバム「Coolin’ Off」をリリースしアルバム・デビュー。1998年にはこれまでゲスト・ミュージシャン扱いだったホーンセクションを強化するためにベン・イールマンが正式メンバーとなり、セカンド・アルバム「Crazyhorse Mongoose」をリリース。
その後も2000年にサード・アルバム「Late for the Future」、2001年に初のライブ・アルバム「We Love ‘Em Tonight: Live at Tipitina’s」、2002年にベスト盤「Vintage Reserve」、2003年には4枚目のスタジオ・アルバム「Ruckus」をリリースします。
しかし、この「Ruckus」を最後にヴォーカリストのセリル・”ハウスマン”・デクロウが健康上の理由で脱退。以降はインストゥルメンタル、そしてゲスト・ヴォーカリストを迎えての活動となります。
2007年にはジュヴィナイル、チャーリー・ツナ、ブーツ・ライリー、リリックス・ボーンなどのラッパーをフィーチャーしヒップホップにアプローチした「From The Corner to the Block」をリリース。
その後もシリル・ネヴィル、コリー・グローバー、マギー・コーナー、エリカ・フォールズと、それぞれ異なるヴォーカリストとのアルバム制作やツアーを続けています。
ギャラクティックで一番好きな曲
私がギャラクティックに出会ったのは社会人一年目だった1998年。勤務先の先輩、Tさんにライブ・アルバム「We Love ‘Em Tonight: Live At Tipitina’s」を借りたのがきっかけでした。そこからファンクとジャズをミックスした音楽性にどんどんハマっていき、現在に至ります。
ギャラクティックのアルバムはどれを取っても味わい深く、クオリティ高い仕上がりなのですが、一番聴いているアルバムは1996年発表のファースト・アルバム「Coolin’ Off」ですね。このアルバムを聴いてピンと来ないならギャラクティック合ってないんだと思います。セリル・”ハウスマン”・デクロウが引退後のアルバムも意欲作が多く、中でも2015年の「Into the Deep」はメイシー・グレイ、メイヴィス・ステイプルズ、ブラッシー・ワン・ストリング、JJグレイという名うてのヴォーカリストが参加する捨て曲なしの大傑作だと思います。
ギャラクティックで一番好きな曲「この1曲」は「Into the Deep」収録の「Higher and Higher」を選曲します。ヤバいんですよ。この曲は。打ち込みか?と錯覚するスタントン・ムーアが作り出すグルーヴに身を任せ、JJグレイの畳みかけるようなヴォーカルが絡み合って昇天。酔いしれてしまいます。いやぁ文句なしにカッコいい。
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