今日はジョニー・サンダースがカバーした「Louie Louie」を取り上げます。
リチャード・ベリー・アンド・ザ・ファラオズの「Louie Louie」
「Louie Louie」はリチャード・ベリーという人が作曲していて、彼が率いたリチャード・ベリー・アンド・ザ・ファラオズというバンドが演奏し1957年にシングル「You Are My Sunshine」のB面に収録されたものがオリジナル。当初から数多くのバンドがカバーしたことで、今となってはロックンロールのスタンダード・ナンバーとなっていますね。
リチャード・ベリーは元々ドゥーワップのグループで活動していたこともあり、このオリジナル・バージョンではあの有名なリフにヴォーカルをあて、ドゥーワップの影響を感じさせる演奏となっています。
「Louie Louie」を最初にヒットさせたのはザ・キングスメンのカバーでした。レコーディング時にスタジオを1時間しか借りてなくて一発録りだったといいます。この荒々しい演奏はガレージロックの代表曲となります。キーボードによるリフが耳に残って離れない中毒性を持つカバーではないでしょうか。リリースは1963年でビルボードHot100で2位を記録しています。
キンクスも1964年発表の「Kinksize Session」にキングスメンのヴァージョンをフォローするようなカバーを残しています。ガレージ色を残しながらもギターが前面に出たキンクスらしい仕上がりに。うん。これもこれでカッコいいですね。
ザ・ストゥージズは1976年の「Metallic K.O.」でカバーを演奏しています。ソリッドなギター、転がるピアノ、イギーの絡み付くようなヴォーカル。どれをとってもカッコいい。エネルギッシュでルーズ。ロンドン・パンクに影響を与えた危ない雰囲気が充満しています。
イギー・ポップはソロでも1993年発表の「American Caesar」で「Louie Louie」を演奏しています。ハードロック・テイストなギター、粘り気のあるイギーらしいヴォーカルも健在。文句なしにカッコいい。ストゥージズの「I Wanna Be Your Dog」を思わせるようなピアノも最高ですね。
ロックとは異なるところではオーティス・レディングが1964年にデビュー・アルバム「Pain in My Heart」の中で取り上げています。スタックスらしいサウンドでホーンが入ってくるのが特徴的ですね。リフもホーンが担うところ大きく面白いです。リフの表現だけを比べてみても人によって違いがあって興味深いですね。
もういっちょ変わったところで、ジュリー・ロンドンが1969年に発表した「Yummy, Yummy, Yummy」で演奏していて、ストリングスを使用したスローテンポな「Louie Louie」を聴くことができます。ヴォーカルも気怠く怪しい雰囲気があって、このアレンジもなかなかイイです。
レゲエにも「Louie Louie」のカバーはあって、トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズが1972年の「Slatyam Stoot」で取り上げています。3分以下の演奏時間が多いこの曲ですが、メイタルズのヴァージョンは5分30秒以上とゆったりした演奏。もうこれは、元々レゲエの曲だったかのように違和感全くなし。
ジョニー・サンダースの演奏
多くのミュージシャンがカバーしている「Louie Louie」ですが、私が一番好きなのはジョニー・サンダースの演奏です。中でも1983年発表のアルバム「In Cold Blood」に収録されているバージョンがいい。ラウドなギターが鳴った瞬間に持っていかれます。ヴォーカルもヘナヘナだし音ズレもあるけど、そんなことお構いなし。これぞロックンロールという演奏を聴かせてくれます。やっぱりジョニーは最高にカッコいい。
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