時代に囚われない確固とした個性
お気に入りのミュージシャンの楽曲の中で最も好きなものを1曲だけ選んで紹介していく「この1曲」。
今日はトレイシー・チャップマンを取り上げます。
トレイシー・チャップマンは1964年アメリカ・オハイオ州クリーブランドで生まれたシンガー・ソングライター。
4歳の時に両親が離婚し、母親に育てられたトレイシーは8歳の時にギターを弾き始め、曲を書き始めたといいます。
彼女のキャリアは大学在学中に始まり、1985年5月3日リンダ・ティレリーのオープニングアクトを務めます。
このパフォーマンスが評価され、大学卒業後の1987年、エレクトラ・レコードと契約。
1988年にアルバム「Tracy Chapman」をリリースしてデビュー。ツアーにも乗り出し多くのファンを獲得していきます。
1988年6月に放映されたネルソン・マンデラ70歳の誕生日トリビュートコンサートで演奏された「Fast Car」がチャートで上昇を始め、ビルボード・ホット100で6位のヒットとなりました。
このアルバムはアメリカのビルボード200で1位になるなど、各国で1位を獲得し、アメリカでの売り上げは600万枚を超える大ヒットアルバムとなりました。
また、この年のグラミー賞では最優秀新人アーティストを含む3つの部門を受賞しました。
1989年にリリースされたセカンド・アルバム「Crossroads」はデビュー作よりもセールスを落とすものの、アメリカでプラチナ・デイスクとなっています。
1995年には4作目のアルバム「New Beginning」をリリース。
シングルカットされた「Give Me One Reason」は、この曲は1997年のグラミー賞で最優秀ロックソング賞を受賞し、
ビルボード・ホット100で3位を記録。彼女にとって最も成功したシングルとなりました。
その後もコンスタントにアルバムを発表していきますが、2008年の「Our Bright Future」以降、オリジナルアルバムはリリースされていません。
時代に囚われない確固とした個性を持っているミュージシャンなので、また新作が聴きたいのですがどうにかならないものでしょうか。
ライブ盤でもいいんでリリースして欲しい。彼女はスペシャルな存在だと思います。
トレイシー・チャップマンで一番好きな曲
私がトレイシー・チャップマンを知ったのは中学生のころ。これは誰から教えてもらうわけでもなく、ラジオで流れていたのをキャッチしました。曲は「Fast Car」だったと思います。
最初はこの歌い手が女性なのか男性なのかはっきりせず、声も名前も両方ありそうだなって思ってました。
それでレンタルCD屋さんに行って借りたのが「Tracy Chapman」でした。
聴いてみると「Fast Car」以外にも染み入るようないい曲がいっぱいあって、さすがに売れているアルバムだなあと中学生ながら思っていました。
トレイシー・チャップマンというとやっぱりファースト・アルバムの印象が強く、そこで止まっている人もいると思いますが、
2000年代に入ってもいいアルバムを作っているんですよね。
私の「この1曲」もブームがひと段落したこのころの曲、2002年発表の「Let It Rain」収録の「Happy」を選曲します。
彼女も変化していて、この曲はベン・ハーパーや初期のレニー・クラヴィッツとの親和性も感じるような曲調。ささやくようなヴォーカルが深く染み入ります。
このアルバムにあふれるやさしさ、ホッとする感じ。定期的に聴きたくなる私にとっての名盤です。
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