スタックスを支えたバンド
ミュージシャン、バンドたちの楽曲のうち、一番好きな曲を選んで紹介していく「この1曲」。
今日はブッカー・T&ザ・MG’sを取り上げます。
ブッカー・T&ザ・MG’sは1962年にアメリカ・テネシー州・メンフィスでスタックス・レコードの専属のスタジオ・バンドとして結成されたインストゥルメンタルR&B/ファンク・バンド。
オリジナル・メンバーと担当楽器は以下の通り。
- ブッカー・T・ジョーンズ(オルガン、ピアノ)
- スティーブ・クロッパー(ギター)
- ルイス・スタインバーグ(ベース)
- アル・ジャクソン・ジュニア(ドラムス)
1964年にルイス・スタインバーグに代わりドナルド・ダック・ダンが加入しています。
所属していたスタックス・レコードはメンフィス・ソウルを代表するレーベルで、
ウィルソン・ピケット、オーティス・レディング、ビル・ウィザース、サム&デイヴ、カーラ・トーマス、ルーファス・トーマス、ジョニー・テイラー、アルバート・キングなどの数百ものアーティストのレコーディングに参加していました。
録音の休憩時間に演奏していた曲をスタックスの社長ジム・スチュワートが気に入り、
そのまま録音したものが彼らのデビュー・シングル「Green Onions」でした。
1962年に発表した「Green Onions」はビルボード・R&Bチャートで1位、ポップ・チャートで3位を記録する大ヒット。
その年にアルバム「Green Onions」をリリース。
オリジナル曲の「Mo’ Onions」「Behave Yourself」の他に、ヒット曲のインストゥルメンタル・カバーで構成されました。
これらのヒットを足がかりに、1960年代を通してインストゥルメンタル・シングルやアルバムを発表し続けました。
1970年代に入ると、メンバー、特にジョーンズとクロッパーのレーベルに対する不満が顕在化し、
二人はスタックスを離れ、それぞれの活動をおこないます。
ダンとジャクソンのリズム・セクションはスタックスに残ることになり、
1971年の時点でブッカー・T&ザ・MG’sは解散となりました。
その後は何度か再結成していて、現在も活動中です。
ブッカー・T&ザ・MG’sで一番好きな曲
私がブッカー・T&ザ・MG’sに出会ったのは浪人時代。
高校の終わりぐらいから浪人にかけてオーティス・レディングにどハマりしていたんですが、
同時にその周辺も聴き進めると絶対通る道だと思います。
変に誰かがヴォーカルをとることもなく、インストゥルメンタル曲で勝負するところがストイックだと思いますし、
さすがスタックスお抱えのスタジオ・ミュージシャンという感じで演奏も素晴らしい。
私の「この1曲」はベタですけど「Green Onions」を選びたいと思います。
滑らかで強烈なオルガンのリフ、キレがあって暴力的な感もあるギター、
そしてそれを下支えするタイトなリズムセクション。最高です。
当時はブッカー・T・ジョーンズが17歳、スティーブ・クロッパーが20歳という若さ。すごいです。
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