晩年にデビューしたブルースマン
ミュージシャンごとの楽曲No.1を選曲し、紹介していく「この1曲」。
ブルース第6日目の今日は、ハウンド・ドッグ・テイラーを取り上げます。
ハウンド・ドッグ・テイラーは1915年アメリカ・ミシシッピ州・ナッチェス生まれのブルース・シンガー、ギタリスト。
最初はピアノを弾いていましたが、20歳でギターを始めました。
1942年にシカゴに移住します。
1957年頃からフルタイムのミュージシャンとなりましたが、シカゴ以外では無名のままで、黒人街の小さなクラブやストリートで演奏していました 。
テイラーはエルモア・ジェームスのスタイルを模した電撃的なスライド・ギターの演奏や、
日本製の安価なテイスコのギターと、荒々しいブギー・ビートで知られていました。
1967年、テイラーはアメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバルでヨーロッパ・ツアーをおこない、
リトル・ウォルターやココ・テイラーと共演しました。
1970年にハウンド・ドッグ・テイラー・アンド・ザ・ハウス・ロッカーズの演奏を聴いたデルマーク・レコードのブルース・イグロアは、会社を説得してレコーディング契約を結ばせようとしました。
しかし、デルマーク・レコードはテイラーと契約を結ばず、
イグロアは自らアリゲーター・レコードを設立し、テイラーのデビュー・アルバム「Hound Dog Taylor and the House Rockers」をレコーディングしました。
レコーディングはなんと2日間という短期間。
イグロアはこのバンドのマネージメントとブッキングを始め、全国ツアーを行い、マディ・ウォーターズ、フレディ・キング、ビッグ・ママ・ソーントンなどと共演しました。
バンドは特にボストン地域で人気を博しました。
1972年に発表されたライブ・アルバム「Live at Joe’s Place」はボストンでの演奏がおさめられたもの。
1973年にレコーディングされたセカンド・アルバム「Natural Boogie」は、
より高い評価を受け、より多くのツアーを行うようになりました。
サード・アルバム「Beware of the Dog」は1974年にライヴ録音されましたが、
テイラーは1975年に肺がんのため死去。アルバムは死後にリリースされました。
ハウンド・ドッグ・テイラーで一番好きな曲
ハウンド・ドッグ・テイラー・アンド・ザ・ハウス・ロッカーズはギター2人とドラムスの3人組というのが特徴的でした。
現代ではジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンが同じ陣容ですが、
荒々しいギターとベースがいないとは思えない音の厚みは共通点とも言えますね。
私が一番好きな曲は、ファースト・アルバム「Hound Dog Taylor and the House Rockers」の1曲目に収録された、「She’s Gone」を選曲します。
もう1音目から荒削りなゴリゴリしたギター。ヴォーカルもパワフルで最高です。
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