パンクの女王
ミュージシャンの曲の中で一番好きな曲を選んで紹介する「この1曲」。
今日はパティ・スミスです。
パティ・スミスは1946年生まれのアメリカのシンガー、詩人です。
シカゴで生まれ、ニュージャージーで育ったパティは1967年にニューヨークに移ります。
知り合いの住所を訪れたが、そこに知人はおらず、
その住居に偶然入居していた、大学で美術を学ぶロバート・メイプルソープと出会い、同居することに。
最初はボブ・ディランやランボーのような彼女の憧れのスターの愛人になるためにニューヨークに来たパティは、
メイプルソープや、周辺の友人と交流することで、彼女自身が表現者になることを志します。
そして、現在もバンドのメンバーである、レニー・ケイと出会い、
詩の朗読のバックでギターを演奏するスタイルで活動を開始。
そこにキーボード、ドラムス、ベースが加わり、5人組のバンドでの活動となります。
そして、1975年、パティ・スミス29歳の時にファースト・アルバム「Horses」をリリース。
元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルをプロデューサーに迎え、
ジャケット写真はメイプルソープが撮影。
パティの端正な顔立ち、まっすぐで意志の強さと穏やかさが同居する表情。素晴らしいです。
この写真も手伝って、「Horses」は話題となり、
パティ・スミスはパンクの女王と呼ばれるまでになります。
その後、元MC5のフレッド・スミスとの結婚、出産での休業を経て、復帰。
フレッドの死を乗り越えつつ、現在も精力的に活動しています。
パティ・スミスで一番好きな曲
パティで一番好きな曲は、もう、「Gloria」でしょう。
リチャード・ソールのピアノから静かに始まるこの曲は、どんどん加速していくドライブ感がたまらないです。
パティのヴォーカルは最初は低い声でポエトリー・リーディングと言っていいですが、
曲が進んでいくと高音になり、トム・ヴァーレインのような感じのスタイルに変わっていきます。
一時期は付き合っていた二人。トム・ヴァーレインはこのアルバムにも参加していますが、この親和性はちょっと面白いですよね。
この曲で思い出深いのは2001年のフジロックです。
アンコールかなと思っていた「Gloria」が最初に演奏され度肝を抜かれました。
また、フジロックの環境がいいですよ。オーディエンスも最高だった。
みんなで「グローーーリア!」って叫んで盛り上がって、
パティもノリノリで。すごく楽しかった思い出です。
クイーンの映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットしましたが、
ロバート・メイプルソープとパティ・スミスの物語も映画になる題材だと思うんですけど、どうでしょう?
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