商業的な成功への執着と解放
ミュージシャンごとに一番好きな曲を選んで紹介していく「この1曲」。
今日は、ルー・リードです。
以前にヴェルヴェット・アンダーグラウンドの記事を書きましたが、今回はソロで。
ルー・リードは、1942年アメリカ・ニューヨーク生まれのミュージシャン。
1970年にアルバム「Loaded」制作中から精神を病んでいたルー・リードはツアー中にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退。
その後は、ソロ活動を開始し、1972年「Lou Reed(ロックの幻想)」をリリースしてデビューします。
そして同年(!)代表作となるセカンド・アルバム「Transformer」を発表。
ファースト・アルバムが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代の曲ということを差し置いても、
セカンド・アルバムまでの期間は7カ月。このあたりもこの時代ならではですね。
この「Transformer」はデヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースを担当し、
ルー・リードの魅力を存分に引き出したアルバムで、さすがデヴィッド・ボウイ。
ヴェルヴェッツのファンだっただけに、ルー・リードの良さを知っていますね。
商業的にもビルボードのアルバムチャートで29位の大成功。
いままで売れることにプレッシャーを感じ、執着もしていたように見えるルー・リードが、
このアルバムの成功でその呪縛から解放され、実験的なコンセプト・アルバム「Berlin」につながって行きます。
ルー・リードで一番好きな曲
ルー・リードで一番好きな曲を選ぶとすれば、「Perfect Day」とどっちにするか迷いますが、
やはり「Transformer」収録の「Walk on the Wild Side(ワイルド・サイドを歩け)」になります。
2013年に亡くなってしまったルー・リードですが、亡くなった日はこの曲を何度リピートしたでしょう。
目の前で歌ってくれているようなささやくヴォーカルがヘッドフォンを通してダイレクトに聴こえてきて、
なんか耳元で説教でもされているようで、何度も、何度も聴きました。
その後も、「何か守りに入ってないか?危ないとこ行けよ」と言われてるようで、
ことあるごとに引っ張り出して聴いている。そんな曲です。
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