モータウン・レコードの代表的歌手
ミュージシャンの最高の1曲を選曲して紹介していく「この1曲」。
今日はマーヴィン・ゲイを取り上げます。
マーヴィン・ゲイは1939年アメリカ・ワシントンD.C.生まれのミュージシャン。
幼い頃から聖歌隊で歌い、ピアノやドラムも習得して音楽のスキルを獲得していきますが、
これは説教家の父の虐待から逃れるため。この父との関係がのちに悲劇を生むこととなります。
学校を卒業し、空軍を除隊してからはさまざまなコーラスグループで活動し、自力を付けます。
そしてモータウン・レコードの社長、ベリー・ゴーディ・ジュニアの目に留まり、
1961年ソロデビュー。
「I Heard It Through the Grapevine(悲しいうわさ)」や「Pride and Joy」など、
ヒット曲に恵まれて、モータウンの看板歌手になっていきました。
ターニングポイントになったのは、ベトナム戦争の激化と、友人でデュエットもしていたタミー・テレルが亡くなったこと。
自身のこれまでの作風を続けることに疑問を感じたマーヴィンは、
1971年に「What’s Going On」を社会問題をテーマにしたコンセプトアルバムとして発表。
このアルバムは今でも語り継がれるソウル音楽の金字塔として全世界に認識されていますし、
最高傑作と言っても差し支えないのではないでしょうか。
その後も「Let’s Get It On」、「 I Want You」など傑作をリリースしますが、
1984年、父親に射殺されてこの世を去ります。
初めて聴いたマーヴィン・ゲイ
マーヴィン・ゲイの魅力というと、お洒落でスムースなポップス的歌唱と、ゴスペル仕込みのパワフルな歌唱のハイブリッド。
時には優しく、時には激しく。メリハリの効いたヴォーカルはいつ聴いても素晴らしい。
私がまともにマーヴィン・ゲイを聴き出したのはオーティスやカーティスを掘り下げた後なので、
大学生になっていたと思います。はじめて手にしたのはもちろん「What’s Going On」。
最初はモータウンはおしゃれで聴きやすいポップスでしょ?とかなり舐めてかかっていて、
読書でもしながら聴いてみましょうかね。てな具合だったんですが、
聴いていくうちに「うーん。上手い。歌が。。。」聴き流せないんですよね。
それからは集中して聴いて、他のアルバムも買って、どんどんハマっていきました。
マーヴィン・ゲイで一番好きな曲
マーヴィン・ゲイで一番好きな曲はなんだかんだで一番聴いているアルバムからですね。
「What’s Going On」から「Mercy Mercy Me (The Ecology)」を選曲します。
このアルバムは頭から聴いていくのがおすすめです。
「Mercy Mercy Me」を選んだのは、やはり「God is Love」からの流れが素晴らしい。
A面最後の曲。切り取るならここがいいですね。
アルバム全体を覆うストリングス、コーラスはここでも秀逸ですし、
マーヴィン・ゲイ自身が弾くピアノ、そしてワイルド・ビル・ムーアのサックスがいいですね。
最高におしゃれな曲でありながら、歌詞では副題にecologyとあるように、環境問題を取り上げています。
すごい先取りしてますよね。
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