緻密に組み上げられた完成度の高いエレクトロニカ
ミュージシャンの最高の1曲を選んで紹介する「この1曲」。
本日はマッシヴ・アタックを選んでみます。
マッシヴ・アタックは1988年から活動を続けるイギリス・ブリストル出身の音楽ユニットです。
結成当初のメンバーは、グラント・マーシャル(ダディ・G)、ロバート・デル・ナジャ(3D)、アンドリュー・ヴォウルズ(マッシュルーム)の3人。
1988年にシングル「Any Love」をリリースしてデビューを果たします。
彼らの特徴はヒップホップやレゲエ、ソウル、ジャズ、ロックなどを取り入れた音楽性。
ジャンルはエレクトロニカの範疇と言えるけれど、重く、繊細で、時に暴力的で、神々しい。
緻密に組み上げられたサウンドの完成度が圧倒的です。
多くのエレクトロニカやダンス・ミュージックのグループが踊れる曲を意図して制作しているところを、
マッシヴ・アタックはそこを目的に曲作りをしていないと思われます。
決して踊らせないわけではないですが、二の次な感じ。
踊れる音楽をミックスしてるのに、腰ではなく、頭で聴く音楽なんですよ。
クラブよりも家で一人で聴く音楽。私はそう捉えていますし、実際そうしてきましたね。
マッシヴ・アタックで一番好きな曲
長い活動期間のなかで、これまでオリジナル・アルバムは5作。
かなり長いブランクを空けるマッシヴ・アタックですが、
リリースされたアルバムは全て完成度が高く、どれも必聴盤だと思います。
ほんとハズレなしですね。
一番好きな曲となると迷うのですが、
マッシヴ・アタックの特徴として、女性ヴォーカリストとのコラボが秀逸だと思うんです。
「Unfinished Sympathy」しかり、「Teardrop」、「Protection」、「Angel」と、名曲揃い。
私が選ぶ曲もそんな女性ヴォーカルが印象的な曲。
2003年発表の4作目「100th Window」収録の「What Your Soul Sings」を選曲します。
印象的なヴォーカルはシネイド・オコナー。この表現力はさすがとしか言えないです。
ウィスパーヴォイスでここまで美しく、表現力豊かに歌えるのはすごい。
そして歌を支える音も、緻密で繊細。浮遊感がヴォーカルを引き立たせています。
このアルバムは、マッシュルームが脱退し、ダディ・Gも育児休暇ということで、
3Dが一人で作り上げたと言っていい作品。
前作の「Mezzanine」の方向性をさらにおし進めた内容となっています。
一人で作ったとはいえ、やはりこのアルバムも傑作。
私はこのアルバムを一番聴き込んだと思います。
次までが長くて7年待ったからというのもある。笑。
最近ではバンクシーの正体とも噂される3Dですが、もし本当にそうなら、驚愕ですね。
10月には来日公演を行うマッシヴ・アタック。
それはそれで嬉しいけど、新作はいつになるんでしょうか?
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