スピリチュアル・ジャズの源流
アメリカのジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナーが2020年3月6日に亡くなりました。
81歳でした。
1960年代にジョン・コルトレーンのバンドメンバーに加わり、
「A Love Supreme(至上の愛)」、「My Favorite Things」など、
コルトレーンを支えて、モダンジャズの黄金期を構築。
1970年代には自身のバンドを率いて、さまざまな傑作を発表しました。
70年代のマッコイ・タイナーにはスピリチュアル・ジャズの源流を見ることができます。
70年代のライブ盤はロック・ファンの私をジャズに引き込んだ
私はマッコイが70年代に残した名盤のおかげでジャズにハマるきっかけを得ました。
特に、ライブ盤。これから紹介する2枚が最高でした。
Enlightenment
まずは1973年発表の「Enlightenment」。
- Presenting the McCoy Tyner Quartet (Introduced by French disc jockey Pierre Lattès)
- Enlightenment Suite, Part 1 – Genesis
- Enlightenment Suite, Part 2: The Offering
- Enlightenment Suite, Part 3 – Inner Glimpse
- Presence
- Nebula
- Walk Spirit, Talk Spirit
- McCoy Tyner: piano, percussion
- Azar Lawrence: tenor saxophone, soprano saxophone
- Juni Booth: bass
- Alphonse Mouzon: drums
1973年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでの演奏。
このアルバムが私が出会った初めてのマッコイ・タイナーでした。
熱が伝わってくる濃密な演奏が素晴らしいです。
全ての曲がマッコイのオリジナルですが、
特に「Inner Glimpse」と「Walk Spirit, Talk Spirit」の2曲の素晴らしさが際立っています。
何度も繰り返し聴いた愛聴盤。レコードで持っていましたが、最近CDも買い直しました。
CDとレコードでは録音時間の関係で若干内容が異なっていますね。
Atlantis
1975年発表の「Atlantis」にもめちゃくちゃハマりました。
- Atlantis
- In a Sentimental Mood
- Makin’ Out
- My One and Only Love
- Pursuit
- Love Samba
- McCoy Tyner – piano, percussion
- Azar Lawrence – tenor saxophone, soprano saxophone
- Joony Booth – bass
- Wilby Fletcher – drums
- Guilherme Franco – percussion
1974年のキーストン・コーナーでのライブ。
「Enlightenment」よりも録音状態も良く、ハコも小さいので、より熱気が伝わってきます。
特に1曲目の「Atlantis」が最高。17分59秒という長い演奏時間ですが全く感じさせない疾走感。
これらのアルバムを聴いて、それまでロック一辺倒だった私はジャズのカッコよさに目覚めました。
マッコイの曲が持つ、一発で引き込むメロディ、テーマがあったからこそだと思います。
今日はマッコイ・タイナーの冥福を祈りながら、これらのアルバムを聴いて過ごそうと思います。
マッコイ・タイナーありがとうございました!
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