ボブ・ディランで一番好きな曲
今日はボブ・ディランの「この1曲」です。
ディランもよく聞かれません?「ディランの中でどの曲が好き?」って。
ビデオがかっこいい「Subterranean Homesick Blues」、
受験に失敗した時に聴きまくった「Don’t Think Twice, It’s Alright」、
大学時代によく聴いた「Hurricane」などなど、色々と候補は浮かぶんですね。
それで悩んだ末に選ぶのは「I Want You」です。
この曲は1966年発売の「Blonde on Blonde」に収録されています。
当時はフォークからエレクトリックへの転換期で、
コンサートでは、前半はフォーク、後半はエレクトリックの構成も多かったよう。
従来のフォークのファンからはひどい仕打ちを受けていました。
当時の様子は映画「Don’t Look Back」にも収められていますが、
エレクトリックの構成になるとブーイングが止まらないなんてこともあったみたいですね。
私はこの頃の、「Bringing It All Back Home」、「Highway 61 Revisited」、「Blonde on Blonde」あたりのディランが一番好きです。
新しいことを始める時には大きなパワーが必要ですし、世間を納得させるための良い曲が揃っていると思います。
ギターがエレクトリックに変わっただけでなく、バンド構成になるわけですから、
ドラムやベースも入って、さらに、ピアノやオルガンも乗っかってくる。
フォークというジャンルから飛び出し、表現の幅を得たディランの一つの到達点。
それが「Blonde on Blonde」だと思います。
ストレートなラブソング
ちょっと前置きが長くなりましたが、「I Want You」について。
この曲の特徴はなんと言っても耳について離れないエレクトリック・ギターです。
そして、そこに乗っかる「I Want You」という誰でも歌詞にしそうなありふれた言葉。
どちらもあまりにストレートで、これまでのフォークのファン層への当て付けのような印象です。
この曲、ホントに急に脳内に流れて口笛を誘発するんですよね。
ノーベル文学賞も受賞したディランですから、もちろん書く歌詞は素晴らしいのですが、
私が一番好きな曲は、こんなストレートなありふれたタイトルのラブソングなのです。
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