ビョークで一番好きな曲
アーティストの最高の1曲をセレクトしていく「この1曲」。
今日はビョークです。
ビョークも「Hyperballad」、「All is Full of Love」、「Venus As A Boy」など迷いますが、
私のこの1曲はアルバム「Vespertine」収録の「Unison」にします。
アルバムの中では「Vespertine」が一番好きで、たまにひっぱりだしては聴いてるのですが、
今聴いても全然色あせていない。
アイスランド+テクノロジー
ビョークは1965年生まれのアイスランド出身のシンガーソングライターです。
「デビュー」当時、容姿が東洋系に見えたので、
この人は中国とか日本の血が入っているのかなと思っていましたが、
実際は両親ともアイスランド生まれなのだそう。
彼女の音楽性は、国土の一部が北極圏に入る島国であるアイスランドの大自然や、
民族音楽などからの影響を感じさせますが、
それを最新のテクノロジーを用いて表現しているところが、
唯一無二の存在たらしめていると思います。
ストリングスやコーラスは生音を使うけど、ピアノはほぼ使わない。
いつもピアノの代わりの楽器を探っている感じがします。
シンセサイザーやハープ、チェレスタやオルゴールなどなど。
セルマからビョークに戻る
この「Vespertine」の制作前、ビョークはミュージカル映画「Dancer in the Dark」に出演。
先天性の疾患で失明してしまう主人公のセルマを演じました。
当時のインタビューには、映画のために長期間セルマになり切っていたため、
そこから抜け出すのに大変だったようなことが語られてました。
満を持して制作された「Vespertine」は緻密で優しい音作りで、
今までにあった怒りや攻撃的な表現はなく、とてもポジティブで心地よい音たち。
これも内省的で想像の中でしか自由に歌えなかったセルマという人格を経験したからこそなのでしょう。
神秘的な世界に連れて行ってくれる曲
この1曲に挙げた「Unison」はアルバムの中でも特にいろんな音の重なりが心地よく、
メロディも素晴らしい。
アルバムのラストを飾る子守唄のような印象の曲です。
この曲はヘッドホンで聴くと神秘的な世界観に浸れて心が洗われます。
「Vespertine」の日本公演に行かなかったことを今でも後悔しているのですが、
映像作品でロイヤル・オペラ・ハウスでのライブが残されていて、
これがまた素晴らしい出来。ヘタすると涙出てくる。こちらもオススメです。
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