エレクトロニカを開拓・進化させたトビー・マークスの音楽プロジェクト
好きなミュージシャンの曲の中でベストソングを選曲し、紹介していく「この1曲」。
本日はバンコ・デ・ガイアを取り上げます。
バンコ・デ・ガイアは1989年に結成されたイギリスの音楽プロジェクト。
中心人物というかメンバーは一人。トビー・マークスのプロジェクトです。
90年代にエレクトロニカを開拓、進化させた人物の一人と言っていいんじゃないでしょうか。
1964年にロンドンで生まれたトビー・マークスは音楽のキャリアをヘヴィー・メタル・バンドのドラマーとしてスタートさせます。
その後、ポルトガルに移り、観光客向けに路上で音楽を演奏したりしていました。
彼が最初にエレクトリック・ミュージックにハマったのは1989年にデジタル・サンプラーを手にした時。
90年代に入ってから、様々なコンピレーション・アルバムに参加し、経験を積んだ彼は、
1994年にファースト・アルバム「Maya」をロンドンのプラネット・ドッグ・レコードよりリリースしてデビューします。
このアルバムがマーキュリー・ミュージック・プライズにノミネートされるなど、絶賛され、
続く1995年に「Last Train to Lhasa」をリリース。
どちらのアルバムもUKインディーズチャートで1位になり、UKアルバムチャートのトップ40にランクインしました。
その後もコンスタンスにアルバムをリリースしながら、
バンドを編成したり、また、ソロに戻ったりと自由な活動を続けています。
バンコ・デ・ガイアで一番好きな曲
私がバンコ・デ・ガイアの音楽と出会ったのは、1998年公開のダーレン・アロノフスキー監督作品「π(パイ)」。
ダーレン・アロノフスキーはのちに「ブラック・スワン」でアカデミー賞を取る監督です。
日本では1999年にミニシアターで公開されていたこの映画、内容も大好きですが、
使われている音楽が数学をテーマにした曲が制作、キュレーションされていて、
エイフェックス・ツインやマッシヴ・アタックなどが参加していて最高でした。
いまだにサントラ盤を聴いていますが、
その中に収録されていたのが私のバンコ・デ・ガイアとの出会いであり、一番好きな曲。
オリジナルアルバムでは1997年発表の「Big Men Cry」収録の「Drippy」です。
水滴が一定の間隔で落ちる音と、それとは異なるリズムの足音のような音、クラップが入り、
ドラムがフェードインしてきて、、、どんどん気持ちいいリズムが絡まってきます。
そこに主旋律となる音、バンコ・デ・ガイア独特のエスニックな音が鳴って。。。
もう気持ち良すぎます。
バンコ・デ・ガイアはピンク・フロイドをカバーしていたり、
ピンク・フロイドのアルバムで印象的なサックスを聴かせてくれるディック・ペリーとも共演しているので、
フロイドファンの方にもおすすめなミュージシャンですね。
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