アメリカのロックシーンを一変させた「Never Mind」
そのアーティストで一番好きな曲を選曲し、紹介していく「この1曲」。
今日はニルヴァーナです。
ニルヴァーナは1987年アメリカ・ワシントン州で結成されたスリーピースバンドで、
メンバーはカート・コバーン(vo/g)、クリス・ノヴォセリック(b)、デイヴ・グロール(d)という構成。
グランジ・ムーブメントの代表格であり、ハードロック、メタル一辺倒だった、
アメリカのロックシーンに新しい風を吹かせた特別なバンドです。
ニルヴァーナがその存在を知らしめたのは、
メジャーレーベルであるゲフィンレコードと契約して制作した、
1991年のセカンドアルバム「Never Mind」。
最初はハードロックやメタルの範疇で見ていた人が多かったような気もします。
しかし、アルバムにはポップなメロディラインを持ちながらラフで破壊力があり、
激しさと穏やかさが同居しつつ、全体には重厚で陰鬱な空気感が流れていてるという、
これまでにないジャンルの新しいロックが生まれた感じがありました。
私は1991年当時、高校生でしたから、ニルヴァーナにどハマりした世代です。
「Never Mind」を毎日聴いて学校へ通い、美術予備校に行く日々を過ごしました。
カートがライブでパジャマ姿で演奏しているという情報を雑誌で仕入れると、
私もストライプのパジャマを購入し、美術予備校にはパジャマで行っていましたから、
相当影響されてました。今思うとちょっと恥ずかしい。
ニルヴァーナで一番好きな曲
そんなニルヴァーナにとことんハマっていた私ですが、
一番好きな曲として選曲するのは、やはり「Smells Like Teen Spirit」になります。
最初のリフは新しい時代の幕開けのような感がありますし、
畳み掛けるようなバンドサウンドは圧巻ですね。
カートは世に出ていくために旗印としてこの曲を書いたと語っていて、
狙い通りにヒットしたわけですが、
同時に、あまり思い入れなく、売れるために書いた曲が一人歩きしている状態が気に入らなかったのか、
この曲、ひいては「Never Mind」についてもあまり良い感情を抱いていないというインタビューが数多く残されていますね。
このあたりからカートの不安定さが表面化し、ヘロイン中毒、自殺未遂と騒がせ、
ついには頭をショットガンで打ち自殺してしまうという衝撃的なニュースを耳にすることになります。
私は1992年2月の唯一の来日公演のときは受験生でライブに行かなかったことが悔やまれます。
当時の自分に、どうせその年の受験は落ちるからニルヴァーナ見とけって言いたい。
今でも「Smells Like Teen Spirit」のリフを聴くと、当時の鬱屈した状況と重ね合わせてしまいます。
苦い思い出とともに私の中に記憶されている「Smells Like Teen Spirit」です。
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