芸術かビジネスか
ミュージシャンごとの最高の1曲を選んで紹介していく「この1曲」。
今日はザ・ラーズを取り上げます。
ラーズは1986年イギリス・リヴァプールで結成されたロック・バンド。
メンバーはギター/ヴォーカルのリー・メイヴァースとベースのジョン・パワーが中心となって活動しました。
ファースト・アルバムにしてラスト・アルバムとなった「The La’s」のクレジットには以下のメンバーが記載されています。
- Lee Mavers – guitar, vocals
- John Power – bass, backing vocals
- Peter “Cammy” Camell – guitar
- Neil Mavers – drums
- John “Boo” Byrne – guitar (on “There She Goes”)
- Chris Sharrock – drums (on “There She Goes”)
- Paul Hemmings – guitar (on “Way Out”)
- John “Timmo” Timson – drums (on “Way Out”)
デモ音源を制作し、レーベルに売り込みをかけた中でいくつかのレーベルから良い反応があり、
彼らはGo! Discsと契約。1987年にシングル「Way Out」をリリース。
アルバムを制作することになりましたが、ここからがゴタゴタ続きに。
リーのこだわりが強いのか、当時のプロデューサーが悪いのか、
シングル「Timeless Melody」の出来に納得できないリーはこの発売を中止。
これでGo! Discsとの間にも軋轢が生まれてしまい、アルバムのリリースもキャンセルに。
さらに、レーベルが用意したプロデューサーのスティーヴ・リリーホワイトをバンド側が拒否し、
結局レーベルは勝手にスティーヴ・リリーホワイトを使ってアルバムを仕上げ、
1990年に「The La’s」がリリースされました。
で、バンド側からすると不本意なこのアルバムの出来が最悪かと言えば、
そこは流石のスティーヴ・リリーホワイト。購入者側からすれば、めっちゃ良い。
なぜこんなにこじれてしまったのか謎ですが、
ストイックに自分が納得できる音を追い求めたリーの立場もわかりますし、
とはいえ無尽蔵に金を注ぎ込むことはできないレーベルの立場もわかる。
最初からリリーホワイトが担当していたら変わっていたかも。なんて考えたりもします。
どこか良い落とし所はなかったのかと残念に思います。
ザ・ラーズで一番好きな曲
ラーズの一番好きな曲はもうこれに決まっています。「There She Goes」です。
歌詞を読む限り、ゴリゴリのドラッグ・ソングなのかもしれないですが、
独特な儚さを伴ったメロディの美しさが印象的で、
たまにラジオとかでかかるとちょっと時代を戻されてしまう曲。
これだけキラキラした曲が書けるのに、アルバム1枚さえ満足に出させてもらえなかったリーの無念さを思うとなんとも言えない気持ちになります。
そういうことも踏まえてこの曲は儚いと感じるのかもしれませんね。
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