電子音楽のパイオニア
そのミュージシャン、バンドの曲で好きなものを1曲だけ選んで紹介する「この1曲」。
今日はクラフトワークを取り上げます。
クラフトワークは1970年にドイツ・デュッセルドルフで結成された電子音楽グループ。
1960年代半ばに芸術アカデミーでクラシック音楽を学んでいたラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーが出会い、1970年に結成されました。
当時、西ドイツに多く現れていた、実験的なロックバンドたち。いわゆるクラウトロックのひとつだったクラフトワークは、
1970年にファースト・アルバム「Kraftwerk」をリリースしてデビュー。
リズム・マシンやオルガン、電気フルート、ヴァイオリンなどを使用した、インダストリアルで即興・実験的な音楽性で好評を博しました。
1974年にはアナログ・シンセサイザーのモーグを使用した「Autobahn」を発表。
このアルバムはアメリカのアルバム・チャートで5位を獲得する大ヒットとなりました。
その後、「Radio-Activity(邦題:放射能)」や「Trans-Europe Express(邦題:ヨーロッパ特急)」、「The Man Machine(邦題:人間解体)」などのコンセプチュアルな傑作を次々に発表。
80年代以降はアルバム制作のペースは落ちていきますが、
90年代後半になってワールド・ツアーや野外フェスティバルでの演奏など、ライブ活動が活発になりました。
これはテクノロジーの進化で音楽とともにヴィジュアルや音響、照明演出など、
クラフトワークの音楽を一つのエンターテインメントとして表現できるようになってきたからだと思います。
日本でも昨年4月にライブをおこなうなど、現在も活動中です。
クラフトワークは音楽はもちろんのこと、ヴィジュアル、ライブ・パフォーマンスで、
世界中のミュージシャンに大きな影響を与えました。
その影響は70年代後半にはテクノのムーブメント、ニュー・ウェイヴ、ポスト・パンク、
80年代に入るとヒップホップやハウスにも及びました。
現代においても、ケミカルブラザーズやレディオヘッドなどクラフトワークからの影響を口にするミュージシャンは多く、
電子音楽の一つの源流がクラフトワークだと言えると思います。
クラフトワークで一番好きな曲
私がクラフトワークを真面目に聴き込んだのは大学に入ってからでしょうか。
美術系大学だったのもあり、音楽からの影響を作品に活かせないかと試行錯誤していた時期です。
ベスト盤程度でしか今まで聴いていなかったので、がっつり70年代の名作を聴いてみたのがきっかけ。
私が一番好きなアルバムは「Trans-Europe Express(邦題:ヨーロッパ特急)」か「The Man Machine(邦題:人間解体)」どちらかです。
僅差でヨーロッパ特急でしょうか。
一番好きな曲は迷いますが、その「Trans-Europe Express(邦題:ヨーロッパ特急)」収録のタイトル曲「Trans-Europe Express(邦題:ヨーロッパ特急)」にします。
印象的なシンセサイザーのメロディ、そしてずっと最前列で鳴っているビートがクセになる1曲です。
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