「Dinner Party」をレビュー
ロバート・グラスパー、カマシ・ワシントン、テラス・マーティン、9thワンダーによるスーパー・グループ「Dinner Party」のセルフタイトルのアルバムが7月10日にリリースされました。
CDやアナログ盤はまだ発売されておらず、現状、MP3のみでの販売になっています。
さっそくamazonでダウンロードして聴いてみたので、感想がてら少し書いてみようと思います。
正直、MP3でのリリースは盤の詳細情報が得られないのでちょっと苦手なんです。今回はどの曲で誰が何してるのかが詳しくはわからないまま。ジャケットを含めたパッケージとライナーノーツの重要性はもっと語られるべき。ライナーノーツのおかげで音楽の世界が知識とともに広がると思います。
それに、今回のジャケットのアートワークは今回カマシの妹、アマニ・ワシントンが担当していて、いい感じなので、ぜひモノとして欲しいですね。
トラックリストと感想
トラックリストは以下の通り。7曲で23分。あっという間に聴けてしまいます。
01 Sleepless Nights [ft. Phoelix]
02 Love You Bad [ft. Phoelix]
03 From My Heart and My Soul [ft. Phoelix]
04 First Responders
05 The Mighty Tree
06 Freeze Tag [ft. Phoelix]
07 LUV U
フェニックスのヴォーカルをフィーチャーした1曲目「Sleepless Nights」浮遊感のあるシンセが印象的。終盤のカマシのテナーとグラスパーのピアノの絡みがたまりません。「あー、二人が絡んでる」と感慨もひとしお。アルバム発売と同時にアニメーションのミュージック・ビデオが公開されています。
この流れで2曲目「Love You Bad」に突入。シンセベースなのか誰かプレイヤーが関与しているのかはわかりませんが、ベースの低音が強烈。コーラス、ストリングスの入り方もおしゃれ。
3曲目「From My Heart and My Soul」もコーラスワークが巧み。この曲もベースの低音が震えます。付け加えてドラムが前に出てきている感じ。
4曲目「First Responders」で初めてヴォーカルが無く、カマシが前面に。派手なブロウがあるわけではなく堅実でやさしいプレイがおしゃれ。こういう硬いベース音にのっかるカマシのテナーは初めて聴きますね。
5曲目「The Mighty Tree」もインストゥルメンタル。テーマは多分テラスのアルト。グラスパーは全体的に抑えめですが、この曲ではいつもの気の利いたピアノ・フレーズを随所に入れてきて心地よいです。
6曲目「Freeze Tag」は先行シングルでしたが、とてもキャッチーなメロディ。都会的でおしゃれなソウルミュージック。テラスのアルトとカマシのテナーのユニゾンはなんとも贅沢。
最後は7曲目「LUV U」。最後に来てテラス?のヴォコーダー。グラスパーはエレピ。ファンキーかつおしゃれです。
全体的にはすべての曲がキャッチーで、上質なソウル・ミュージックという印象。これだけのスーパー・グループでありながら、作りたい音楽が優先で、各自の役割を全うしています。とっても贅沢なアルバム。CDやアナログ盤は是非とも手に入れたい所有欲をそそられるアルバムですね。
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